小学校1年生に向けて身につけたい学習に必要な力
こんにちは。
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。
少し前から「小学校1年生に向けて」についての記事を書いています。
今回は、学習面についてお話ししたいと思います。
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はじめのうちは、イレギュラーな時間割
入学してすぐに体験するのは、学校探検や1年生の歓迎会などのイレギュラーな学習。
5~6月以降の落ち着いてからの時間割とは比べものにならないくらい、毎日が刺激的です。
新しい環境に慣れなくてはならないし、学校の施設内も覚えなくちゃならないし、新しい友だちだって突然増えるし、上級生はみんな大きいし、教科ごとに教科書とかノートが違うし・・・・
わーっと押し寄せる情報に対応するのが難しいかもしれませんね。
でも、それを乗り越えてしまえば、基本的な時間割が決まっている落ち着いた生活がやってきますので、とにかくはじめは大変かもという心の準備はしておいてください。
小学校に入ると、すぐに文字を書き始める
入学するとすぐに、簡単なお勉強が始まります。
まずここで必要なのが、ひらがなが読めるというスキルです。
ひらがなを書く練習については、読める字を書く方が、読めない字を書くよりもずっと簡単です。
ですから、文字を覚えるハードルを少しでも下げるために、ひらがなは読めるようになっておいてほしいなぁと思います。
実は、1年生が習う文字はかなり多いです。
ひらがな全てはもちろんですが、カタカナ(もしかしたら、一部は2年生かも。学校によっては)と、漢字80字です。
漢字80字は
「一 右 雨 円 王 音 下 火 花 貝 学 気 九 休 玉 金 空 月 犬 見 五 口 校 左 三 山 子 四 糸 字 耳 七 車 手 十 出 女 小 上 森 人 水 正 生 青 夕 石 赤 千 川 先 早 草 足 村 大 男 竹 中 虫 町 天 田 土 二 日 入 年 白 八 百 文 木 本 名 目 立 力 林 六」
と普段の生活の中でよく使う比較的画数の少ない文字ですが、これらの文字全てを読み方を学習し、書き方を学習し、しっかり頭にインプットして実生活で使わなくてはなりません。
ここで必要になってくるのが、鉛筆をしっかり使えるというスキルです。(ごめんなさい!鉛筆ではなくて、クレヨンなどですね。)
小学校に入ってからは漢字練習(はじめのうちはひらがなですが)との戦いになると思いますが、しっかり鉛筆が使えないと、本当に大変なのです。(ここも、クレヨンなどです。)
入学してすぐに鉛筆の持ち方の指導が始まり、それと並行してひらがなの書き方を勉強します。
きちんとクレヨンなどが使えている場合、箸の持ち方を利用しながら正しい鉛筆への移行がスムーズに進みます。
でも、クレヨンでしっかりした線が描けていないと、鉛筆はもっと難易度が高いので、しっかりした文字が書けないという事になってしまうのです。
たとえば、10回漢字を書いて覚えなさいという宿題が出たとします。
普通に鉛筆が使える子どもだったら5秒で書ける漢字が、うまく鉛筆が使えないと30秒かかったりします。
この積み重ねは大きいですよね。
下手をすると勉強が嫌いになってしまいます。
ですから、入学前に鉛筆でしっかりした線がかけるようになってほしいなと思います。(ここもクレヨンです。)
では、しっかりした線というのは、どのくらいのレベルなのかーー。
- 力強い線で、ヘロヘロしていない。
- 描きたいものの形がしっかりかけている。
- 点から点へ直線で結ぶ線が描ける。
- ぐるっとまぁるい線が描ける。
- 何かの線をなぞれる。
- 塗り絵ができる。
などでしょうか。
幼稚園段階では、鉛筆を必ずしもマスターする必要はないですが、それでも、幼稚園によっては幼稚園の時からひらがなの学習を始めたりしますよね。
その場合は、6Bの太い三角軸の鉛筆を使う事をお勧めします。
手指の動きがまだぎこちない時に普通の鉛筆を使い始めると、変な癖が付いてしまい、後で苦労することになります。(一度ついた癖を矯正するのは、本当に大変です)
我が家の三人の子どもたちは、くもんの子ども鉛筆を使っていました。太くてしっかり握れるので使いやすかったと思います。
ただ、普通の鉛筆削りが使えないので、専用の鉛筆削りを買って使っていました。(専用の鉛筆削りをくるくる回すのも、ちょっとした訓練になるかななんてことも思っていました。)
数の勉強も始まる
算数ではまずは数の学習です。
ここでもまずは文字を覚えます。
数の概念と文字を結びつけながら、それぞれの数字を書けるようにするわけですね。
といっても、これはそれほど難しくないです。
数字自体がかなり簡単な形ですから。
ここで必要なのは数の概念です。
イチは○、ニは○○、サンは○○○というように、ことばの意味がわかっていないと、文字と概念とをいっぺんに覚えなくてはならないので、とても大変になっちゃうんですね。
そして、数字を覚えるとすぐに足し算が始まります。
ここで必要となってくるのは、
1対1対応でものの数を数える力
ブロックやおはじきを操作する力
です。
3+4=7
これらの数式を覚えておく必要はまったくありません。
必要なのは、問題の意味を理解し、実際に操作することで、数学的な考え方を身につけ、自分自身で答えを導き出すことです。
そのために必要なのが、1対1対応でものの数を数える力やブロックやおはじきを操作する力なのです。
この算数的な考え方を、具体的な操作なく教えようとすると、もっと大きな数字を扱うようになってきたときにイメージ化ができなくなり、結局その後の学習が積み上がらなくなります。
学習中の作業が多い
低学年のうちは、実際に作業をしながら、考える事なんかがとても多いです。
そんな時に必要になるのが、
ハサミを使う力
紙にしっかり折り目をつける力
紙を半分に折る力
紙を線で折る力
糊で貼りつける力
などです。
これらの力は、出来て当たり前という感覚でさらっと出てきて、どんどん先に進んでしまったりするので、出来ないと困る場面が多々あると思います。
たとえば、
よく小学校では、B4判のプリントを使う事がありますが、これは大きいので、机にしまう時には半分に折ってしまうんだよと指示されます。
また、授業でプリントが毎時間配られたりする時には、そのプリントを色画用紙に綴じていくなんてこともしますが、その時には糊で貼りつけることが多いです。
でも、今あげたものはみんな、幼稚園で工作する時に使っているスキルですね。
特に練習なんて必要なさそうなのですが、こうしたスキルは、本当に大切なんです。
ちょっとした、何気ない場面で使われるので、幼稚園の間にしっかり出来るようになっておいていただけたらと思います。
授業が結構長い
授業時間は45分間
結構長いです。
時には自分にとってはつまらない授業となるかもしれません。
ここで必要となるのが、座っていられる力です。
立ち歩きたい気持ちは分かりますが、それをしてしまうと周りの子どもへの影響が大きすぎます。
場合によっては、学級崩壊につながるかも・・・。
ですから、我慢して座っていられるようになればいいなあと思います。
そして、コミュニケーション能力!
今、教育現場では、アクティブラーニングという言葉がよくつかわれています。
受け身学習から主体的学習へというのが、ざっくりとした説明となります。
そのため、先生が黒板の前で板書しながら説明して、質問して、指示を出して・・・といった授業は過去の遺物となり、今では、子どもたちが話し合いをしながら、自分たちで解決策を見つけていったり、課題そのものを見つけていったりといった学習スタイルに変化してきています。
実体験をしながら、ディスカッションをして、学び合いをする・・・って、かなり高度なコミュニケーション力を必要としますよね。
ですから、幼稚園の時代に、
他の人の言っていることを聞いて理解する力
他者の意見に共感する力
自分の意見を言う力
他者と協力する力
他者と活動することを楽しいと思える力
これらは是非身につけてほしいと思います。
これらの力がなくても学校生活は送れますが、トラブルが続いたり、学校生活自体が楽しめなかったりと、本人にとってつらい状態になってしまうことが想定されます。
まとめ
小学校に上がる前につけてほしい力というのは、基本的に普段幼稚園でしている事で身に付けられるものです。
ここが土台となって、その後の学習を積み上げていくことになりますので、土台づくりをしっかりしておきたいですね。
土台がしっかりしていると、上の物を積み上げていくことは比較的簡単です。
でも、上の物を積み上げた後に、あれ、どうもうまくいかないなぁと下の部分で苦手なところを探していくというのは、かなり厄介なのです。
幼稚園時代は、どんどん上を積み上げるよりも、どっしりと土台を固めるを重点目標にしてもらいたいなあと思います。
もちろん、そういうのが全部できたうえで、絵本を一緒に読んだりして、カタカナ・漢字と読める文字を増やしたりとかそういうのは、ものすごく効果的だと思いますよ!
上にあげたスキルが苦手なお子さんへの具体的な手立ては、今後記事にしていきます。
「就学に向けて」についての記事を書きました。
順を追って書いていますので、是非見ていただけるうれしいです。
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- 通常学級か特別支援学級か、どちらを選んだほうがいい?
- 通常学級で必要な日常生活のスキル!
- 小学校1年生に向けて身につけたい学習に必要な力(今回の記事)
- 小学校1年生に向けて関係機関を調べておくと安心
- 小学校1年生に向けて自閉症スペクトラムの特性理解を!
- 小学校1年生に向けて我が子の一番の理解者になろう!
こんにちは☆
就学に向けて、うちにぴったりなたくさんの記事を書いて頂き、とても感謝致します。
さすが小学校の先生をなさっていたので、とても具体的でリアルなご説明で、小学校生活のイメージができました。ありがとうございます。
一年生って、一人であれだけのことをこなす力があるのですね。
うちの子、今の年中の様子では厳しいかもしれない。。。
本当に、幼稚園での日常生活を、できるだけ手伝ってもらわずに一人でできる練習が大切ですね。
ゆっくりだとできるのですが、気持ちの切り替えや気が逸れずにやり遂げることが課題かな、と。
先月情緒級の見学に行ってきましたが、子供が安心して過ごせるならば、ここからのスタートでもいいかなと思いました。
小学校生活に必要なスキルが身に付き、コミュニケーション力が伸びるなら、通常級に行けたらな、という願望はありますが。
支援級は個別対応なので、一時間目も二時間目も、黙々とテキストをひたすら解いているのを見て、当たり前ですが通常級との違いに驚き、「つまらなくないのかな、辛くならないかな」と感じたのは定型の発想ですよね。
少ない刺激で自分のすべきことに集中でき、生活も学習もしやすい配慮がありますね。
可能な教科は交流級に入ったりもありますね。
学区外なので自力登校は難しいことや、通級は別の学校なので送り迎えも大変そうなことから、支援級もあり通級もある学校に通えるよう引っ越ししたいなと考えたりもします。
持ち家なのでかなり大変なのですが。。
考えるべきことがたくさんあり、一体どうなるのやら、、と思ったりしますが、何より、子供が楽しく笑顔で日々成長していけるように心がけたいと思います。
次の記事も楽しみにしています(*^^*)
こんにちは。
いつもコメントありがとうございます。
いま、情報収集をなさっている最中なんですね(^^)
マーメイドさんのスタンスは、お子さんに寄り添って、お子さんが楽しい毎日を一緒に過ごしたいという感じなので、私自身とても安心しています。
小学校での過ごし方をどういう方向性で考えていくかーこれは本当に難しいです。
お子さん一人ひとり、特性も成長のタイミングも違うので、周りの大人にできることは、よ~く見て、その時期に一番最善の選択をしていくってことしかないんだと思うんです。
もしかしたら、後で考えて、ああしておけばよかったって思っちゃうことがあるかもしれないけれど、でも、あの時はよく考えた結果この方法を選んだし、その時はこの方向性が最善だった!って自分自身を納得させられるような選択をしておければいいですよね。
マーメイドさんの今回のコメントを読んでいて、また思い出したエピソードがあって、このことはまた記事にしたいと思っているのですが、幼稚園の時代って、本当に素晴らしく伸びるお子さんがいるのです。
幼稚園時代っていうか、幼児期から10歳くらいまでって感じかな?
だから、今この時(年中の11月)から、就学先を決めるおよそ1年間に、どう転んでもいいように様々な情報を集めておいて、決定時期にいい決断が出来るようにしたいですね。
(今なさっている最中ですね!!がんばってくださいね♡)
引っ越しについては、慎重になさってください。
記事にその事を書いてしまったのが誤解を生む元だったと思って反省しているのですが、私自身その話をお聞きして、とってもびっくりしてしまったくらい、ほとんど聞かない(というか、そのひとりだけ)ケースです。
ただ、ああ、こんなに一生懸命お子さんのことを考えているんだな。それに応えられるように、私も教師として頑張らなくちゃって思って・・・。
でも、引っ越しって、本当に大変なんですよね。
引っ越しの準備、引っ越し後の片づけ。もしかしたら、パパママは忙しすぎて、お子さんの事に気がまわらなくなってしまうかもしれない。
そして、引っ越し時期が就学と重なってしまったら、お子さん自身が、それでなくても、環境がガラッと変わってしまって慣れるまで大変なのに、家まで変わって、落ち着かなくなるを通り越してパニクるかもしれない・・・。
いろいろなことが想定されますよね。
↑このことは引っ越しのことを書いた記事に追記したいと思います。
だから、今住んでいる場所では、どうしてもお子さんに合う教育が受けられない。
引っ越しするデメリットよりも、今の場所に住み続けるデメリットの方が大きいと、自信を持って言える時以外は、引っ越しなんてしなくていいと思います。
とにかく、お子さんが楽しくいられるかどうかは、マーメイドさんが楽しいかどうかにかかっています!
いろいろなことを楽しめる余裕が持てる日常生活をしてくださいね!
今回のコメントを参考にして、また記事を書きたいと思います。
書くことのネタをくださって、いつも助かります。
また、コメントお待ちしています♡
こんにちは。ありがとうございます。
子供の様子をよく見て、その時々にできる最善な選択ができるよう心がけていきたいです。
焦らず、できることは工夫して行いながら、あとは子供の成長を待つ、ということが大切と思いつつ、心配性のためいろいろと心配をしてしまいます。。
でも、時が来て、子供に急にスイッチが入った!と感じて、嬉しく驚くこともいろいろありますね。
友達に関心があまりなかったのに、今はスイッチが入り、園でも友達と遊びたい、降園後も一緒に
遊びたい、と言い、お友達の真似をいろいろし、お友達と過ごして嬉しかった事、悲しかった事をいろいろ話すようになりました。
やり取りが自分中心になってしまったりと、また新たな課題はありますが。。
新版K式の発達検査も全領域で106と出て、一年前より成長を感じました。
(個別療育で似た課題があったり、事前にちょっと、前できなかったことできるかな~と聞いてみたりしてしまったので、練習になった部分がありいけなかったのですが)
スキップや鉄棒技ができるようになったり、少しずつの成長がとても嬉しいです。
あまり期待しすぎず、でも種まきはいろいろ楽しくしていきたいです。
引っ越し、そうですね。。
子供の特性についてまだ気づかない時に今の場所に住み始めたので、今となっては、もっと環境も安全かつ便利で、学校や先々のことも考えて生活しやすい所に引っ越したいなという考えもあり。
けれど、子供にとって環境の変化はとても心配ですね。
新しい記事も参考になりました。ニキリンコさんの本を読んだ時、そういう世界なんだ!と目から鱗でしたが、子供のこと、頭では理解したように思いながらも、心では受け入れられていなくて、イライラしてしまったり怒ってしまったりするので、まずは私が本当に娘を正しく理解して受け入れることをもっと心がけたいです。
ありがとうございます☆
こんにちは。
いつもコメントありがとうございます。
お子さんの成長に喜びを感じているとのこと。
お子様からの何よりのプレゼントですね。
これまでの種まきの成果が続々と出てきて、きっと充実した日々を過ごされているのだと思います。
発達検査の結果も大きく伸びて一安心ですね。
課題は、新たなステップに進めば、必ず出てくるもの。
それは成長の証です。
柚樹もいつも何かの課題を抱えて現在に至っていますが、ふり返るとできるようになったことの多さに驚きます。
これって、多分定型発達の子どもだけを育てていたら味わえなかった感動だろうなぁと思ったりもしますよ。
お友だちの事をたくさん話すようになっているんですね(^^)
いっぱいいっぱいお話を聞いてあげてください♡
一番伸ばしていきたい部分が順調に伸びているのは、本当に喜ばしいですよね。
ニキリンコさんの本、本当に目から鱗が落ちますよね。
でも、やっぱり、私たちは当事者ではないから、頭でしか理解できないんですよね。
それは仕方がないことです。
だから、理解したいって思って努力しているんですもの。
私自身、やはり柚樹の考えていることは、いまだにわからない事だらけ。。。
そもそも定型発達同士だって分からない事だらけなんだし、全て分かろうって方が無理。
お互いに受け入れられることもあるし、受け入れられないことだってある中で、努力して受け入れようとしていること自体が尊いことだと思いますよ!(^^)
これからも、お互い我が子の一番の理解者となるべく、一緒に頑張っていきましょうね!