「1対1対応」で物の数を数えさせるための練習方法

こんにちは。
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。

少し前から就学までに身につけたい学習スキルへのサポート方法について書いています。

今回は、1対1対応で物の数を数えることが苦手な場合のサポート方法についてお話ししたいと思います。

広告

1対1対応で数を数えるとは?

1対1で数を数えることとは、どのようなことを言うのでしょうか。

これは、

物を1つだけ取り出して、1つ目として数え、

それを除いた他の物1つを取り出して、2つ目として数え、

・・・これを繰り返して、最後の一つになるまで〇つ目として数えていき、

全てをまとめた形で〇つあると認識する

ということです。

 

簡単だし、出来て当たり前だと思いますよね。

そう、この部分をもうとっくの昔にクリアしてしまっている大人にとっては、簡単すぎることなので、これができないことの意味がわからないと思います(^^;

 

でも、簡単なようですが、これがなかなか難しいのです。

もう数えてしまっているの物をまた数えてしまったり、

まだ数えていないけれども、とばして終わってしまったり、

全てをまとめた総数だという認識が持てなかったり…。

小さい子どもにとっては、結構難易度が高いスキルなんですよね。

このスキルの獲得についても、かなり個人差があって、一度やって見せればすぐに要領を得て、あっという間にできるようになってしまう子どももいますし、何度やって見せてもなかなか意味を理解してくれない子どももいます。

 

小学校の1年生の担任をしていた時にも、クラスの中に何人かは1対1対応で物の数を数えられない子どもがいました。

もちろん、学校でも回数をこなしていけば、そのうちできるようになるのですが、やはりこれも経験数が多ければ多いほど、早く獲得できるスキルだと思いますので、勉強としてではなく、普段の生活の中で数を数える様子を周りの大人が見せておいてあげるといいと思います。

また、就学が近くなってきたら、一緒に手をとって数えてあげる経験を積むことで、スムーズに数を数えられるようになると思いますので、是非お家でもやってみてください。

家での取り組み方は?

取り組みの順序としては

  1. 1対1対応で数を数えるところをたくさん見せる
  2. 1対1対応で、一緒に数えてあげる(1~5くらいまでに限る)
  3. 1対1対応で、一緒に数えてあげる(6~10くらいまで広げる)
  4. 1対1対応で、少ない数を自力で数えさせる。(3くらいまで)
  5. 1対1対応で、少しずつ数を多くして自力で数えさせる。(10くらいまで)

といった感じです。

 

1. 1対1対応で数を数えるところをたくさん見せる

日常生活の中で、数を数えるような場面を積極的に作りましょう。

数える必要がなくってもいいんです。

とにかく、何か目の前に複数の物があったら、数えちゃいましょう。

 

たとえば、あめなどのお菓子を袋の中からガサッとつかんで、お子さんの目の前に出し、

1つ1つ左に寄せながら、イチ、ニ、サン・・・と数えていきます。

 

はじめのうちはヒトツ、フタツ、ミッツ・・・ではない方がいいです。

どんなものでも、イチ、ニ、サン・・・です。

いろいろな言い方で数えると、混乱しますから(笑)

(イチ、ニ、サン・・・が定着したら、他のいろいろな言い方、一個、一匹、一枚などでも表してみるといいと思います)

 

出てきたあめなどの数が、6つだったとしたら、

1つ1つ左に寄せながら、「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク」と数えて、

全部ひとまとめにして、「全部でロクだね。」と確認します。

 

ちょっと細かいことではあるのですが、

ここで全部ひとまとめにするというのにも意味があります。

 

イチ、ニ、・・・と数えている時は、実は意味的には、1つ目、2つ目・・・と言う事なんですよね。

いくつあるかというのは、いくつ目かとはちがうことを聞かれているという訳です。

全部をまとめることで、6あるという事になるんです。

 

この「いくつか」と「いくつ目か」というのも、一年生になってすぐに学習する項目なんですが、なんの引っかかりもなく、すんなり分かる子どももいれば、かなり何度も説明して、やっとわかるようになる子どももいます。

この段階は、ことばの意味がわかっている(実用レベルで使えている)のか、そうでないのかで、かなり大きな違いがあります。学校で学習してはじめてわかるのではなく、普段の生活で使いこなせていれば、1年生になっても安心ですね。

 

2. 1対1対応で、一緒に数えてあげる(1~5くらいまでに限る)

はじめのうちは、数えるところを見せてあげるだけでいいのですが、数えることが当たり前になってきたら、「一緒に数えてみようか」と促してあげてください。

 

まずは、3つなどの少ない数から。

 

あめなどをお子さんの目の前に3個出して、

お子さんの手をとって、一緒にその中の一つをつかんで左に寄せながら「イチ、ニ、サン」と数えて、全部をひとまとまりとして集めて、「3あるね」と確認します。

 

5個くらいまでの数で、十分に練習するといいと思います。

 

3. 1対1対応で、一緒に数えてあげる(6~10くらいまで広げる)

5個くらいの数で、十分に数えられるようになってきたら、数を増やしていきます。

6~10個くらいの数のものを、やはりお子さんの手をとって、一緒に数えていきましょう。

数え方はやはり、イチ、ニ、サン、・・・・で。

最後には、ひとまとまりとして、全部でいくつになるかを確認することも忘れずにしましょう。

 

次の「1対1対応で、少ない数を自力で数えさせる。(3くらいまで)」は、お子さんによっては、この時期から並行して行っても大丈夫だと思います。

理解の早いお子さんだと、自分ひとりでやるように周りで促さなくても、自分から真似してやり始めてしまうことと思います。

その場合は、しっかり1対1対応ができているか、注意深く見てあげてください。

 

4. 1対1対応で、少ない数を自力で数えさせる。(3くらいまで)

一緒に数えてあげることを何度も行って、数えることが板についてきたら、自分ひとりで数えてみることを促してみてください。

2個、3個の少ない数からスタートです。

 

たとえば、こんな感じ促します。

私「ゆずくん、あめ、あげるね。」

袋から、あめを2つ取り出す。

私「はい、あめ。・・・いくつあった?ゆずくん数えてくれる?」

 

ここで、もし戸惑うようなら、すぐに手をとって、一緒に数えてあげてください。

一人でできなくても、数え終わったら、しっかりと褒めてあげてくださいね。

促して、自分でやり始めたら、1対1対応で数えられているかチェックし、出来ていれば、たくさんたくさん褒めてあげてください。

1対1対応ができていなかったら、やはり手をとって一緒に数えてあげます。

 

自力で数えられるようになっていたら、3つくらいの少ない数を何度か練習して、しっかりと定着させます。

自力で数えられるようになっていなかったら、一緒に数えてあげることを織り交ぜながら、自分で数えられるようになるまで、3.と4.の項目を並行して練習していきます。

 

5. 1対1対応で、少しずつ数を多くして自力で数えさせる。(10くらいまで)

3つまでの数を自力で数えられるようになったら、少しずつ確実に10くらいまでの数を自力で数えられるように練習していきます。

数が多くなると、だんだん混乱してきますから、もしつまずきが見られたらすぐに笑顔で、一緒に数えてあげてください。

 

10くらいまで自力で数えられるようになっていたら、やはりしっかり定着させられるように、何度も練習します。

自力で数えられない場面が出てきたら、一緒に数えてあげることを織り交ぜながら、自分で数えられるようになるまで、3.と5.の項目を並行して練習していきます。

 

10までの数を1対1対応で数えられるようになったら

自力で10くらいまで数えられるようになってくれば、あとは、もっと多い数まで広げていろいろな数を数えさせてあげてください。

 

発展として、20個のあめを4人で分けるとか、そういう事も今後につながる日常生活での体験ですよね。

わり算として考えなくていいんです。

あめを20個数える。

4人の目の前に、1つずつ配っていく。

配り終わったら、一人ひとりのあめの数を数える。

みんな5個ずつ、平等に配れたことが確認できる。

こんな感じですね。

 

また、1対1対応がしっかり定着したことが前提ですが、2個ずつ数える経験も積んでおくと便利です。

「ニー、シー、ロー、ヤー、トー」って数えるやつです。

これも、しっかり2つずつ数えられているかを確認させながら行います。

 

それから、ある程度自由に数が数えられるようになったら、もう混乱することもないと思いますので、

「ヒトツ、フタツ、ミッツ、・・・」で数えることや、

数え終わった後に、

「3つあったね。」とか、「3個あったね。」「3匹いたね。」

などの単位をつけるようにするといいと思います。

 

焦らず、一つ一つを確実に定着させていきましょう。

スモールステップでやっていった方が、混乱しないで済みますので、結果的には早く習得してくことができるように思いますので、試してみてください。

 

次回はブロックやおはじきを操作する力を伸ばしたい場合のサポート方法についてお話したいと思います。

広告

 

コメントをお待ちしています!