他者と活動することを楽しいと思える力をつけたい
こんにちは。
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。
このところ就学までに身につけたい学習スキルへのサポート方法について書いています。
今回は、他者と活動することを楽しいと思える力をつけたい時のサポート方法についてお話ししたいと思います。
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他の人と楽しく活動すること・・・
誰かと楽しく活動してほしい。
家族とはもちろん、幼稚園・保育園や学校でも。
将来的には、職場でも・・・。
これは、親にとっては、当たり前にある当たり前の望みですよね。
そのためには、
- 活動の意味自体をわかって、主体的に活動できること
- 他の人と役割分担等をしながら、協力して活動すること
- 一緒に活動すること自体を楽しめること
が必要になってきます。
1.活動の意味自体をわかって、主体的に活動できること
他の人と楽しく活動することの第一段階というか前提条件というかは、まず、学習活動の意味を理解して、主体的に活動できることとなります。
この前提がなければ、その先の「他の人と」「楽しく活動」という部分をのせる以前の問題となってしまいます。
活動の意味をしっかり理解するために必要なことは、もうここに書くまでもありませんが、日常生活でさまざまな体験を積んでおくことです。
これは、幼児期の誰にでも言えることなのですが、実際に体験したことがあるとイメージ化しやすく理解もスムーズだけれど、体験したことがなければ何をしているのか理解できずに終わってしまうということは、よくあることです。
特に、自閉症スペクトラムのあるお子さんの場合は、認知の偏りや興味の範囲の狭さなどなどが原因となって、定型発達のお子さんが体験から得ている様々な情報に比べて、獲得できていることが少なくなってしまっていることがよくあります。
それが積み重なると、学校ではある一定の知識があることが前提で仕組まれている学習を、何をしているのか理解できずに行うということにつながってしまいます。
理解できずにする学習活動は、非常につまらないです。
つまらないと、当然主体的に活動することもなく、ただその時間を過ごすだけで終わるということになってしまいます。
ですから、できるだけ小さいうちから、様々な体験を繰り返し積ませて、経験と知識を身に付けさせておくという意識が必要になります。
できる限り本からの知識ではなく、直接体験することにまさる学習はないということを念頭に置いておいてください。
ただ、もちろん、直接体験できることには限界があります。
直接体験できないようなことは、もちろん本やビデオなどの助けを借りることは大切ですが、それはもっと大きくなってからでも間に合いますので、小さければ小さいほど、実際に手で触って、目で見て、匂いを嗅いで、聞いて、味わって、操作して、というような体験を大切にしてください。
体験をたくさん積んでおけば、必ず学校の学習活動に興味を持って主体的に活動するかというと、必ずしもそうではありませんが、少なくとも経験が少ないことで興味を持たないということは避けることができます。
そして、主体的に活動するために必要なことは、好奇心が旺盛であるということ。
お子さんの好奇心は、日々の生活の中で伸ばしてあげてほしいなあと思います。
2.他の人と役割分担等をしながら、協力して活動すること
これは前回書いた記事と関連のあるものなので、是非前回の記事もご覧ください。
前回書いた記事は、協力する気持ちは遊びの中で育てることができますという内容でしたが、今回はそれを前提として、もう少し学習という部分にスポットを当てて書いてみたいと思います。
学習活動の場面では、自分のやりたい気持ち、または、やりたくない気持ちを少し抑えて、グループの仲間と折り合いをつけながら、一緒に活動する力が求められます。
活動の目標を達成するためには、何人かの子どもで役割を分けることと、その分担した部分の責任を果たすことが大切になります。
やりたい気持ちを出しすぎて独占してしまうと、他の子どもが体験できなくなりますし、やりたくないからといってやらないでいると学習は成立しませんし、嫌なことを誰か一人に押し付けるような場面になります。
本人はその時には満足できると思いますが、友達関係が悪くなり、後々様々なトラブルのもとになったります。
また、逆にやりたいのにしっかり主張ができないと、いつまでもやらせてもらえなかったり、やりたくないのに何も言わないと、嫌なことを全てさせられてしまったりと、悩みを抱える状態になってしまいます。
グループにしっかり調整できる子どもがいてくれればよいのですが、いつでもいてくれる保証はありませんので、できれば、お子さんにうまく立ちまわるためのスキルを身につけていってもらいたいと思います。
このスキルは、すぐには身につかないので、お子さんの発達段階を見ながら、できるだけ早いうちに取り組みを開始したほうがいいと思います。
実際、身につくまでは5年とか10年とかの長いスパンでの取り組みが必要となります。
ですので、焦らずにゆっくり取り組んでいただけたらと思います。
小学校に入学する時までには、幼稚園や保育園で行う活動の役割について、主張したり・気持ちを抑えたり・責任を果たしたりできるように、働きかけをしていただきながら、スキルアップを図るといいと思います。
3.一緒に活動すること自体を楽しめること
この頃書いている記事は、以前に書いていた記事に比べて、少々観念的というか、具体性に欠ける記事になってしまっています。
それはだんだん、高度な人間関係を必要とする領域に入ってきているからです。
人間関係を良好にするための家庭での取り組みはいろいろあり、ここで全てを書くことはできません。
具体的な取り組み方法については、少しずつ書いていきたいと思いますが、ここでは、やはりざっくりとした方向性について記したいと思います。
学習活動において、グループの友達などと一緒に活動し、かつ、その活動時代を楽しむ
そのためには、前述の1と2ができて、その上に楽しいという気持ちが乗ることが必要となります。
この楽しいという気持ちを育てるのも、長期的な取り組みが大切となってくることですね。
まずは、周りの物事に興味を持ち、活動すること自体を楽しめること、それから、他の人と一緒に活動すること・遊ぶことを楽しいと思えること、この2つの面の「楽しい」を育てましょう。
お子さんの楽しむ対象を広げるために
ステップ1
様々なことに興味を持つことがなかなか難しいお子さんの場合は、まずはパパママがお子さんの興味関心のあるものを一緒に楽しみ、お子さんの楽しいと思うことを一緒に思いっきり楽しみましょう。
周りの大人が、まずお子さんに寄り添って一緒に楽しむことで、他の人と一緒に活動することって楽しいなあという気持ちを十分育てます。
この期間は、パパさん・ママさんがこれをやらせたい!と思う活動をやらせることよりも、お子さんの気持をじっくり育てることを目標にしてください。
ある意味、パパさん・ママさんの我慢がものすごく必要な時期です(笑)
ステップ2
お子さんが、自分以外の人と遊ぶことをすごく楽しいと思うようになると、「パパさん・ママさんがこの活動をさせたいと思うこと」にも、スムーズに挑戦してくれるようになってきます。
活動自体に興味がなかったとしても、パパさん・ママさんと一緒に遊びたいという気持が強ければ、一緒に遊ぶことを目的にして、新しい活動に興味を示してくれるからです。
とはいっても、お子さんが嫌がるような内容はもちろん無理ですよ。
お子さんが好きそうなことの中で、まだやったことのない活動を選んで、一緒に遊ぶことを促します。
はじめのうちは、すぐには応じてくれないかもしれません。
その時には、
「まず〇〇をやって、その後、ゆずくんの好きな☆☆をしようよ」
などと言って、促しましょう。
このステップ2の段階では、パパさん・ママさんが新しく広げていく活動は、お子さんが好きそうなものだけに絞ります。
特に、1回目は絶対に失敗しないでくださいね!
「パパさん・ママさんが教えてくれたことをやってみたら、とっても楽しかった」という成功体験を積み重ねることで、周りの人からの働きかけに乗ってみようという興味関心を広げていきたいので、極力失敗を避けたいのです。
そして、この段階では、やってみたら楽しかったということの他に、「初めてのことによく挑戦したね」というメッセージを必ず伝えて、この言葉をご褒美として受け取れるようになっていて欲しいと思います。
このご褒美が、ステップ3でとても大切になってきます。
ステップ3
ステップ1は、他の人と楽しむという気持ちを、ステップ2では、他の人からやってみようよという呼びかけに応じる気持ちを育てます。
そこまで出来たら、今度はステップ3に進みます。
このステップ3では、多少気に入らないことでも、パパさん・ママさんの「やってみようよ」に応じる気持を育てることを目標にします。
この段階はかなり高度なので、焦らずゆっくり取り組んでください。
自閉症スペクトラムのあるなしにかかわらず、やりたくないことをするのは、なかなか嫌なものです。
理屈でやるようになれればよいですが、その前段階では、やはり、やり終わった後にに何かしらの「やってよかった」と言う感想(=ご褒美)が必要です。
活動自体は、物によっては初めての時には楽しめないものもあるかもしれません。
そんな、「つまらなかったな」という思いの中にいたとしても、大好きなパパさん・ママさんから、「初めてのことなのに、挑戦してすごいね。」とか「〇〇の部分はしっかり出来たね。」とか、「一緒にできて楽しかったな。」などと言われながら、ハグされれば、良い気持ちになれるものです。
この積み重ねが、様々なことに挑戦する気持ちを育てていきます。
この段階に来ると失敗することも多くなってくると思いますが、失敗することはダメなことという考えを持たないように、ぜひ言葉がけに工夫をしてくださいね!
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こんにちは。
いつも為になる記事を楽しく読ませて頂いています☆
最近いろいろバタバタと忙しくしていました。
手抜き生活シリーズの記事、うんうん!と頷きながら楽しく読ませて頂き、トイレ掃除など参考にさせて頂こうと思います。
私は元々マメではなくずぼらですが、子供と充実した楽しいいい時間を大事にしたいと思うと、本当に時間的、体力的配分をうまくして、極力かけるべきところにかけ、かけなくていいところにかけないでいいようにしたいなあと思います。
今は、徒歩通園すること(自転車だととっても楽なのですが)、降園後お友達と遊ぶこと、その後公園でたくさん体を動かす事を毎日するだけでも体力、時間的に大変でヘトヘトですが、子供の土台を作ることだと思うので、他をうまく手抜きしても頑張ろうと思っています(^^♪
こちらの記事も、娘にとってとても大事なことが書いてあり、何度も何度もじっくり読ませて頂きました☆
うちの子にはハードルが高いかな、とか、こういうことができるようになる時がくるのかな、とか思っていた部分もあったのですが、最近あった幼稚園の面談で、「気持ちの部分で集団に入るようになってきた、お友達と一緒が楽しいから自分も頑張りたい、やりたくないこともお友達と一緒なら頑張れるというようになってきた、みんなの中で生き生きと楽しんでいる」と言って頂けて、子供の成長ってすごいなあ、ずっとできなさそうに思えていたこともできるようになってくるんだなと嬉しく思いました。
今までの記事を参考にさせて頂いて、子どもの好きな直接体験をたくさん積み重ねて一緒に楽しんでこれたことで好奇心が育ったり活動の意味を理解することの力がついてきたりしているのかなと思いますし、できるだけ寄り添って共感していくこと(私には今まで難しいこともありました)で精神的にも落ち着いて、お友達への興味も育ってきたのかなと感じました。
親の心の持ち方、態度や、小さいうちに本当に大切にすべきこと、を教えて頂けてありがとうございます。
まだまだ、気持ちのコントロールの仕方や状況判断、お友達とより長く複雑な遊び、やり取りもできるように、等の課題はいろいろありますが、年中一年でも嬉しい成長がみられたように、次の年長の一年でも娘のペースでの成長があるのだろうなと楽しみにしています。
春休みも楽しい経験ができるように計画しているので、親子で思い切り楽しみたいです♪
また記事を楽しみにしています(^^)
こんにちは。
とても充実した毎日を過ごされているのですね♡
コメントを読ませて頂いて、幼稚園時代の柚樹との日々を懐かしく思い出しました。
徒歩で通園することも、すごく良いことですよね。
私は、一番上の子どもは3年間徒歩で通園したのですが、柚樹の場合は年中の時から、一番下の子どもは入園した時からバス通園でした。
仕事に復帰してしまったので仕方がないことなんですが、本当は、雨の日も風の日も雪の日も晴れの日も、一緒に手を繋いで通園したかったなあって今でも思います。
私の場合、柚樹が一番伸びたなあって思うのは、やっぱり幼稚園時代です。
生活上のスキルなどももちろんそうなのですが、何よりもコミュニケーション面が本当に伸びました。
2歳代にはあまり他人に興味がなくて、自分のやりたいことをしているという様子だった柚樹が、幼稚園を卒園する頃には、お友達の気持を考えて行動できるようになったんですよ。
私自身がこの驚異的な伸びに驚いてしまいました。
中1の現在、かなりオタク感全開ですが(ゲームが大好きなのです)、周りのお友達からは「優しいね」と言ってもらえるほど、人の立場に立って考えられる子に成長しました。
自閉症スペクトラムだと、他の人の気持がわからないとか、うまくやり取りができない、とか決めつけて、諦めてしまうのは、本当にもったいないことですよね(^^)
(コミュニケーション面だけでなく、すべての面で、ですが)
頑張るのってとても大切ですが、手抜きも大切だって思えると、気持ちが楽になりますよね。
成長に従って、だんだん手をかけなくてもいい部分が出てくるので、今のうちは家事をサボって(笑)とにかくいっぱい手をかけてあげてくださいね!
記事にも書いたと思いますが、手を抜いて時間が作れたら、お子さんのことだけではなく、ご自分のことにも使ってくださいね。
それが、マーメイドさんの余裕につながり、お子さんの笑顔につながります!
なかなか、時間が取れなくて、記事の更新も滞りがちで申し訳ないですが、これからもコメントいただけるとありがたいです♡
よろしくお願いします。