学校にカミングアウトする?しない?

こんにちは。
ずぼら母ちゃんこと、渡辺さつきです。

いよいよ3月。新しい生活の準備段階に入った方もいると思います。
今回は、学校にカミングアウトをするかどうかについて、我が家のエピソードをお話ししたいと思います。

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幼稚園・学校にカミングアウト?悩みますよね

この4月から新しい環境になる方、または、新しく診断を受けたばかりの方は、カミングアウトについて悩むところだと思います。

カミングアウトをするかしないかは、ご本人の気持ちやパパさん・ママさんのご判断が一番大事です。

その上で、Dr.のご意見を参考にするようにするといいと思います。

それでも、やっぱりどうしよう・・と思うのでしたら、柚樹の場合も参考にしてみてください。

幼稚園入園の時

柚樹は幼稚園にはアスペルガーであることと知的障害(療育手帳を持っていました)であることをお話しして、入園を許可していただきました。

まだまだ、ほかのお子さんと同じような行動はとれないし、かなり手をかけていただかないと、日常生活がうまく送れないと思ったからです。

初めに言っておけば、先生も少し気を付けてくれるかなっていう思いがありました。
そのせいもあってか、年少さんの時の先生は、割とおおらかに柚樹を導いてくれたように思います。

集団行動がとれなくても、あまり怒らなかったですね。
もちろん、やさしく促してはくれたので、いつの間にかみんなと同じ行動がとれるようになっていました。

 

それと、変な行動をした時に、いちいち説明するのが面倒だったということもあります。
入園の時点で、定型発達のお子さんしか見たことがない先生や親御さんたちに、びっくりされてしまうような行動をするであろうことは、予想できたんですよね。
だから、自分自身がカミングアウトすることで気持ち的に楽になりたかったんです。

結果的に、柚樹は幼稚園時代にびっくりするくらい成長して、知的障害の範囲からは外れましたし、自閉症スペクトラム特有の行動はほとんど消えて、外から見ただけでは定型発達のお子さんとそれほど変わらないくらいにまでになりました。(発達の様子についてはこちら

ですから、我が家の場合は、幼稚園にしっかりすべてをカミングアウトして入園してよかったなと思っています。

小学校入学の時

小学校に入る時にも、カミングアウトしてはいるつもりでした。
幼稚園での成功体験がありますからね。

でも、Dr.に相談したら、「何も言わずに入ったほうがいい」っておっしゃるんですね。

びっくりして、その理由をお聞きしたら、

  1. 柚樹の場合、先生に特別な支援をしてもらわなくて、学校生活が送れる
  2. 学校の先生の中には、自閉症スペクトラムに対して理解のない人が多いから

大きくこの2点でした。

特に、2のことに関して、先生は心配なさっているようでした。

まず、先生方は自閉症スペクトラムというものがわかっていないから、自閉症スペクトラムというのはこうだという固定した見方をする場合がある。
自閉症スペクトラムというのは、一人一人違うし個性もあるのに、みんなこういう子だと決めつけてしまう。
それは、あまり望ましいことではない。

また、自分の経験上、自閉症スペクトラムの子供に手を焼いた経験があると、初めからそういう子供だと思ってしまう。

すごく支援が必要で、カミングアウトしておかないと生活に支障があるという場合は、カミングアウトすることにメリットがあるが、そうじゃなかったら、リスクのほうが大きい

この先生の見解は衝撃でした。

私自身が小学校の教員をしていたので、そんなはずはないよ先生!と言いたかったのですが、Dr.にはそういう経験談がたくさん入ってきているんだろうなって思ったんですよね。

それで、帰ってから旦那とよく相談をして、学校には何も言わずに入学したのです。

カミングアウトせず学校に入っても何の問題もなかった

小学校1年生の時の担任の先生は、とてもおおらかなベテランの女性の先生でした。

本当におおらかに余裕をもって学級を見てくださっていたので、何の問題もなく、穏やかな生活を送れました。

柚樹も学校が楽しくて楽しくて、毎日笑顔で元気よく通学していました。

 

Dr.のアドバイスが、ああこういうことかと身をもって理解できたのは、小学校4年生の時です。

 

思ってもみなかった形での学校へのカミングアウト

柚樹には、軽いチックの症状が小さい時からあります。

困ったときに目をパチパチするような、そんなチックです。

といっても、特に生活に支障はないので、何にも気にしていなかったんです。

 

小学校3・4年の時の先生は、怒ると怖い男の先生でした。

この先生は、連帯責任を重要視していて、たとえばお掃除などもやっている人やっていない人関係なく、班単位で怒る人でした。

 

柚樹はとてもまじめで、きちんとお掃除をするのですが(アスペルガーですからね、やるべきことはやるということにこだわりがあります)、そのクラスには結構やんちゃで、いくら注意してもやらない子供がいたんですね。

その子たちと同じ班になって先生に怒られることが重なると、柚樹のチックがだんだんひどくなってきました。

柚樹がいくら先生に怒られないようにしても、ほかの子供たちは全然そんなことは怖くないのですから、お構いなしです。
逆にその子たちにも「うるせー」とか言われて、逆襲されて、苦しかったんでしょうね(^^;

チックがひどくなりすぎて、学校のことを考えるだけで、鼻をすするチックが連続で出て、止まらなくなって、チックによる過換気症になってしまって・・・。

結局、スクールカウンセラーの先生に「担任の先生に会わないほうがいい」と言われ、学校に行けなくなってしまったんです。

 

スクールカウンセラーの先生に相談するときには、どうしても生育歴を聞かれます。
私も別に隠す必要がないと思ったので、すべてお話ししました。

小さい時には知的障害だったこと

自閉症スペクトラム(アスペルガー)であること

すると、その情報は学校側に伝えられます。

結局、チックについての支援が必要な時に、自閉症スペクトラム(アスペルガー)だという情報がカミングアウトされてしまったわけです。

先生の中にはやはり偏見を持っている人がいる

そして、その時から、担任の先生が、柚樹に関して、変なことを言うようになってきたんです。

これまでは、そういう言い方はされたことがなかったので、よく覚えています。

それは、私が柚樹に付き添って学校に通っていた時に、先生が私に言った言葉でした。

夏休みの宿題の読書感想文が学年代表になって、クラスのみんながレクをしている中で、柚樹は感想文の書き直しさせられていたんですね。
ちょうど、1学期はずっと学校に行けなくて、2学期になって、やっと学校に行けるようになって間もなくのことです。

見ると柚樹は半泣き。
1週間前にもし直すところがあったら直してねと言われて持って帰ってきた原稿を、これで大丈夫ですとそのまま提出していたのですが、突然明日が締め切りだから、全部清書してと言われたようなのです。

いやいや先生それはひどいでしょと思った私が、「みんなと遊ばせてあげてほしい」と、先生にお願いした時、

柚樹くんは、そういう子だから、ハンカチ落としは嫌いでしょ?

一瞬、耳を疑いました。

 

柚樹は、自閉症スペクトラム(アスペルガー)の子ではありますが、ハンカチ落としなどの集団遊びは好きなんですよね。

幼稚園の時からそうです。

だから、上の言葉は完全に先生の思い込みです。

柚樹くんは、自閉症スペクトラムで集団遊びが嫌いなはずだから、ハンカチ落としは嫌いでしょ?

そう思い込んでいたのを、母親である私に言っちゃったわけです。

ああ、この先生は一人一人をきちんと見てくれない先生なんだな・・・
とがっかりするとともに、この先生に柚樹が自閉症スペクトラムだと知られちゃったのは、あまり得策ではなかったなぁと、学校カウンセラーにすべて話してしまったことをすごく後悔しました。

だって、柚樹関係のことで何かうまくいかないことがあると、それはすべて柚樹の自閉症スペクトラムのせいにされてしまうから。

もちろんすべての先生に偏見があるわけではないけれど

その後、5年生の時には、おおらかな中堅の女性の先生が担任の先生になってくださり、以前のように楽しく学校に通うことができるようになりました。

なんと、5年生の時の児童会選挙では副会長に立候補して、見事に当選までできました。
そのくらい、学校に前向きに行けるようになったんです。

だから、先生のすべてが偏見を持っているというわけではないのです。

でも、このリスクは恐ろしいなぁと思いました。

ポイントは特別な支援が必要かどうか

こうした経験から、私も、Dr.の見解にやはり賛成だなと思います。

カミングアウトすることで、メリットがあるかどうか、これは大きなポイントです。

 

特別な支援が必要な場合は、やはりカミングアウトをする必要があると思います。

カミングアウトすることで、やはりそれに対応した支援を要請することができるから。

これは大きなメリットです。

 

でも、そうした支援を必要としないのであれば、カミングアウトすることはむしろ害になる可能性があるということは言えると思います。

柚樹の場合には、個性的な子供だととらえるくらいで十分学校生活が送れました。

 

今回書いたことは、あくまでも、我が家のケースですので、

ああ、そういうこともあるんだな

っていうくらいに思って読んでいただければと思います。

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