数の概念を身につけよう!
こんにちは。
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。
少し前から就学までに身につけたい学習スキルへのサポート方法について書いています。
今回は、数の概念が身についていない時のサポート方法についてお話ししたいと思います。
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数の概念の発達ってどんな感じ?
数量感覚というものは、小学校に入学して算数を習い始めるよりもずっと前から育ってきています。
たとえば、お風呂に入って、「じゃあ、10数えたら出ようか」なんて感じに、普段から数を数えたりしていますよね。
また、お菓子を半分に割って、「どっちがほしい?」なんて聞くと、「こっち!」と大きい方を選びます。
こうした日常生活の中で、数量の感覚は知らず知らずのうちに身についていることが多いです。
遠城寺式の発達検査表では、「大きい小さいがわかる」というのはだいだい2歳半頃の、「長い短いがわかる」というのは2歳9カ月頃の、「高い低いかわかる」というのは3歳4カ月頃の項目として記載されています。
そして、その後、「数の概念がわかる(3まで)」が3歳8カ月頃の、「数の概念がわかる(5まで)」が4歳4カ月の頃の項目とされています。
数の概念がわかるとは?
では、ここでいう「数の概念がわかる」というのは、どのような状態のことをいうのでしょうか。
「イチ・ニ・サン」と順番に言えたら3までの数の概念は習得できたという事になるのでしょうか。
実は、数を唱えられることと、概念を習得したということには、大きな違いがあります。
意味がわからなくても、ただ唱えていくことは簡単にできるわけです。
まず、イチが何か、ニが何か、サンが何かという事を理解するよりも先に、音として覚える方が先行します。
小さい子どもが「イチ・ニ・サン・・・・・ジュウ」と唱えている時、その時間的な長さを何となく意識はしているとは思いますが、数としての認識はないわけです。
とにかく丸暗記。
ただ、ここでの丸暗記はとても重要です。
ここで覚えた音に、数を結び付けていきますから。
音に数の認識が結びついて、数の概念がわかることになる
では、音にどうやって数を結び付けているのか。
これも普段の生活の中で知らず知らずのうちにやっている事によって、その概念を習得しています。
たとえば、あめを3つ出して、
「あめが、1・2・3。3個あるね。じゃあ、柚樹に2個あげるね。お母さんは1個ね。」
などと言葉がけをしたりしますね。
こうした何気ないやりとりによって、数量感覚を身につけていくわけです。
つまり、数の概念がわかる(3まで)や数の概念がわかる(5まで)というのは、数の読み方を丸暗記して唱える段階から一歩進んで、3というのはたとえばあめが3つあることをいうんだな、とか、5というのはビー玉が5個あることをいうんだなといった、イメージ化を伴った理解をしていることが重要になってきます。
幼児期の数量感覚の身につけ方
数の概念とか算数の基礎などというと、ついつい幼児用ドリルをさせたくなってしまうと思うんですが、まずその前に、数量に関する十分な日常生活の体験を積ませておくことがとても大切です。
幼児期の子どもたちの暗記力というのはかなり優れているので、教え込めばかなり簡単に覚えてくれます。
でも、その方法では、高学年になって抽象的に考える必要が出てきた時に、かなりの高確率でつまずきます。
数量についての土台がないために、少し複雑になるとお手上げになってしまうんです。
日常生活の中で数量感覚を身につける機会はたくさんありますので、是非日常のあらゆる場面で数量感覚を身につけさせるように心がけていただきたいと思います。
段階的には
- 数を順番に唱えられる
- 大小・長短・高低の感覚が身につく
- 数の概念が身につく
という感じに難易度が上がってきます。
それぞれの段階は、特に時期を意識せずに、幼児期をずっと通して心がけていきたい取り組みです
1.数を順番に唱えられる
数を順に言っていくことは、いつでもどこでも出来るだけやってみてください。
お風呂に浸かっている時になんて例を先ほどあげましたが、それ以外にもいろんな場面で使えますよね。
たとえば、だるまさんが転んだなんて遊びも、1~10までの数が出てきます。
また、外で遊んで帰りたくないという時に、あと10数えたら帰ろうね、とかの場面も想定できますね。
はじめのうちは、周りの大人が数えているのを聞いてもらうだけで十分ですが、少しずつ一緒に言っていくようにしましょう。
1~10まで唱えられるようになったら、今度は20まで、次は30までとどんどん増やしていけるといいと思います。
また、逆に、10・9・8・7・・・・と唱える練習もするといいでしょう。
数の順序を覚えておかないと算数の学習は始まらないというくらい大切なスキルなので、まずはここをしっかり押さえてください。
2.大小・長短・高低の感覚を身につける
これも、普段の心がけ次第で、いろいろな場面で比較できると思います。
お菓子は必ず2つに割るようにして、どっちが大きいかなって聞いてから食べるとか、そういう事ですね。
大小だけではなく、長短・高低など、いろいろな比較をしてください。
チュロスの長さを変えておいて、長さを比較してから食べるとか(食べ物ばかりですが汗)、お友だちの背の高さを比較するとか、ありとあらゆる場面を使ってやってみてください!
こうした取り組むを続けることで、必ず数量感覚は身についてきます。
3.数の概念を身につける
これは、やはり具体的な物を使って、数を数えることが一番の近道です。
あめでも、みかんでも、本でも、自転車でも、いろいろな物を1つ1つ触っていって数えてください。
たとえば、みかんが3個あったら、
みかんの一つを持って右に寄せながら「イチ」、
別の一つを持って右に寄せながら「ニ」、
最後の一つを持って右に寄せながら「サン」、
と言って、
最後にみかんを3個持って「みかんが3個あるね」
と言うなど、はじめは丁寧に教えてあげるといいと思います。
これをすることで、1対1対応で数を数えること、そして、あめでも、みかんでも、本でも、自転車でも、3はサンだということを覚えることができます。
一般化ですね。
この一般化もとても大切なので、いろいろな物で数を数えるということを経験させてほしいと思います。
入学するとすぐに10までの数を学習しますので、出来れば卒園頃までに10までの概念を習得させたいですが、無理は禁物です。
次回は、1対1対応で物の数を数えることが苦手な場合のサポートについてお話したいと思います。
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