小学校1年生に向けて自閉症スペクトラムの特性理解を!
こんにちは。
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。
少し前から「小学校1年生に向けて」についての記事を書いています。
今回は、小学校1年生に向けて保護者が準備しておきたい事②として、自閉症スペクトラムの特性を理解しておくことの重要性についてお話ししたいと思います。
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自閉症スペクトラムの特性?
ネットで調べたりすると、自閉症スペクトラムの特性については、いろいろ出てきますね。
自閉症スペクトラムというのは、自閉症とかアスペルガー症候群とか、広汎性発達障害等の診断名を統合する形で登場した概念だという事や特性としては、コミュニケーションの困難さ、興味や行動が限定されること、時には反復行動がみられることなどが挙げられています。
でも、読んでみて、何となく分かったような、分からないようなという感じはしませんか?
少なくとも私には、実感としてイメージすることはできませんでした。
実際の生活の中で、どんなことに困難を感じるのか、どうすればその困難さをカバーできるのか・・・。
シュミレーションすることができなかったんです。
そこで私は、柚樹が自閉傾向があるとわかった時から、何冊かの自閉症スペクトラムの当事者、またはその家族が書いている本を読みました。
自閉症スペクトラム当事者の本を読む
読んでみて分かったことは、自閉症スペクトラムの方々は、定型発達の人たちにとって、予想以上に不可解な世界に住んでいるという事です。
異常な世界っていうんじゃないですよ。
異質な世界なんです。
しかも、その人によってその感じ方や見え方、考え方が違っているという・・・。
つまり、自閉症スペクトラムだからこう思っているだろう、とか、こう考えるはずだっていう、定型発達の人たちの思い込みは、かなりの勢いで間違っているのではないという事に気付いたわけです。
一人ひとり違うんだから、ちゃんと様子を観察したり、考えを聞いたりしよう。
考えを言えない段階の時には、ありとあらゆることを想定して、私自身の想像力を働かせて、柚樹に寄り添おう。
これが、私の子育ての柱でした。
今思い返しても、早い段階でその事に気付けて良かったと思います。
本を読んだことで、困難になるであろうことをイメージ化できた
本を読むと、様々な場面が映像として、イメージできるようになりました。
イメージ化できるとシュミレーションは、よりやりやすくなりますよね。
柚樹の様子を観察しながら、
あれ、もしかして、こう感じているから、こうなったのではないかしら?
あら?もしかして、今こんな感じ??
と、いろいろな可能性を考えることができるようになったんです。
この習慣は、幼稚園や学校などの、親から離れた場所での困難さを想像したり、サポート方法を考えたりする上で非常に役に立ちました。
柚樹に対してのサポートではなかったのですが、少し前に書いた手を洗えない子の様子を観察した時に、あれっと気付くことができたのは、こうした、当事者が語った本を読んでいたからだと思っています。
当事者の本を読んで、自閉症スペクトラムのことを理解すると、寄り添いやすくなる
以前勤めていた小学校でのことです。
高機能自閉症と診断されてきていたお子さんが、普通学級に入ってきました。
そのお母さんとお話しした時に印象的だったのが、
お子さんが過ごしやすい環境を保障したい
とおっしゃっていたことです。
能力を伸ばしたいという事よりも先に、安心して過ごせるようにさせたい。
素敵だと思いませんか?
そのお母さんとのお話を進めるうちに、ああ、自閉症スペクトラム当事者の方の本をよく読んでいらっしゃるなと感じました。
だから、お子さんが困難に感じるであろうことを予測して、落ち着いて生活できる場を第一に考えていらっしゃったんですね。
実際、そのお子さんの伸びは素晴らしいものでした。
通級指導教室には一応所属していましたが、サポートはほぼ必要なく、時々困ると泣きじゃくってしまうくらい。(その泣き方は、少々激しいものでしたが、学年が進むにつれてほとんど見られなくなりました)
でも、成育歴を見ると大変だった時もあったようなのです。
たとえば、年中の時には、幼稚園で椅子を投げてしまうくらい暴れた、とか。
小学校の入るときには、もう落ち着いていて、言われなければ自閉的な傾向があることも分からないくらいだったのですが、年中の時には、まだまだ自分を制御できないことが多かったんですね。
それにしても、子どもの頃の伸びといったら、本当に著しいですね。
こうした子どもの伸びは、まずは安心して過ごせる場所があってこそです。
まず、自閉症スペクトラムを知ること。
そうすれば、自ずと自閉症スペクトラムに寄り添う事が出来るようになると思っています。
自閉症スペクトラムの独特な世界
ニキリンコさんや藤家寛子さんは、著作の中で、
雨が痛い
とか、
傘を持っていると、どこまでが自分の腕で、どこからが傘の柄なのかがわからなくなる
などの独特な身体的感じ方や
クラスメートは学校の備品、
といった、独特の世界観について語ってくださいました。
また、東田直樹さんは、知的障害を伴う自閉症であり、ことばはしゃべれなくても、とても豊かな内面世界を持っていることをその著作で教えてくださいました。
音声言語でのアウトプットができないからと言って、分かっていないというわけではない事がわかり、よく観察して、よい部分を引き出してあげなくてはと思った記憶があります。
泉流星さんの本も分かりやすかったです。
『地球生まれの異星人 自閉者として日本に生きる』では理解のなかった時代に、どんな大変な生活を送ったか、その時々にどのように感じていたのかなどが書かれています。また、『僕の妻はエイリアン』では、泉さんが旦那さんの視点でその生活を描いているというユニークな本になっています。
ローナ・ウィングさんの『自閉症スペクトル』という本は、今までご紹介した本よりも若干難しい自閉症スペクトラムのガイドブックですが、自閉症スペクトラムのことを知るのには最適な本です。
ローナ・ウィングさんには自閉症のお子さんがいらっしゃいます。
そのため、ご自身の親としての経験も踏まえての著作で、本当に参考になります。
サポート方法なども書かれていて、是非一度は読んでいただきたい本です。
その他、森口奈緒美さんの『変光星』やグニラ・ガーランドさんの『ずっと「普通」になりたかった』などは、自閉症スペクトラムの子どもたちが経験するかもしれないいじめ等について知ることができました。特に、グニラさんの行き着いたコミュニケーションの方法に衝撃を受けました。
当事者の書く本だからこそ理解できる世界
私たち定型発達の大人には想像もできないような世界を知ることができるのは、本当によかったなと思います。
東田直樹さんはお母様のサポートを受けて、その能力をいかんなく発揮なさっていますし、日々の生活も居心地の良い空間で過ごされていると思うのですが、少し前の方々は、周囲の理解もなくて、こんなにも困難な日々を送っていたのだと本当に心が痛くなりました。
それと同時に、一番近くにいる私が柚樹をしっかり理解して、サポートしなくてはならないなと、改めて思ったりしました。
理解がサポートの出発点です。
小学校に入ると、人間関係がかなり複雑になってきます。
そんな中で、日々教えていかなくてはならないことなどの作戦を立てるのには、とても有効だと思います。
今は、私が柚樹の事を知って読んだ本以外に、当事者の方の本が多くあると思います。
ご紹介した本でなくてもいいですので、もし当事者の方の本を読まれていなければ、読んでおくといいと思います!
読むことで、きっと今まではできなかったような「予測」ができるようになると思います。
「小学校1年生に向けて」についての記事を書きました。
順を追って書いていますので、是非見ていただけるうれしいです。
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