通常学級で必要な日常生活のスキル!
こんにちは。
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。
さて、今回は、「小学校1年生に向けて」の生活面についてお話したいと思います。
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小学校への入学。幼稚園とは何が違う?
小学校1年生に向けてのどのようなことを意識すればよいのか?
小学校の生活をよく知っていれば、何となく想像がつきますが、たとえば1人目のお子さんだったり、長い間学校という特殊な世界から遠ざかっていたりすると、頭の中が???となってしまいますよね。
とりあえず、学校だから、鉛筆を持って字を書くでしょ?
あと、教科書も読むから、字が読めなくちゃならないでしょ?
それから、数字も知らなきゃならないかな?
それから、それから・・・。
そうですね!
幼稚園との大きな違いは、1日の大部分をお勉強をして過ごすという事です。
これは、子どもたちにとって、大きな違いですよね。
入学してからしばらくの間は、ゆったりしたモードで1日が過ぎていきますが、1か月も経つとすっかり小学校のペースに慣れていきます。
1単位時間は45分。
この時間を基本的には大人しく座って授業を受けることになります。(もちろん、作業などでの動きはありますが)
でも、実はその前に、そのお勉強を支える大切なことがあります。
小学校1年生の生活はこんな感じ
では、ここで、小学校の1日をざっと見てみましょう。
1 | 登校 | 学校によって集団登校なのか自由登校なのかの違いはありますが、子どもたちだけで学校に歩いて行きます。 |
2 | 靴の履き替え | 靴を上履きに履き替えて、靴を決められた下駄箱にしまいます。 |
3 | 教室に入る | 玄関から教室に移動します。 |
4 | 朝の準備 | ランドセルから教科書・ノート・筆箱を出し、机の中にしまいます。 |
5 | 提出物を出す | 連絡帳・宿題など、その日に出さなくてはならないものを、指定の場所に提出します。 |
6 | 朝の会 | あいさつや健康観察、連絡など。学校によっては、スピーチをしたりします。 |
7 | 授業の準備 | 次の時間に使う教科書・ノートなどを準備します。 |
8 | 授業 | 先生の話を聞いたり、話し合ったり、作業をしたりしながら、学習します。 |
9 | 5分休み | 前の時間の教科書などをしまい、次の授業の準備をしたり、トイレに行ったりします。 |
10 | 授業 | 先生の話を聞いたり、話し合ったり、作業をしたりしながら、学習します。 |
11 | 中休み | 20~30分の長い休みです。前の時間の教科書などをしまいます。子どもたちだけで、外で遊んだり、図書室に行ったりして過ごします。トイレなども済ませます。 |
12 | 授業の準備 | 次の時間に使う教科書・ノートなどを準備します。 |
13 | 授業 | 先生の話を聞いたり、話し合ったり、作業をしたりしながら、学習します。 |
14 | 5分休み | 前の時間の教科書などをしまい、次の授業の準備をしたり、トイレに行ったりします。 |
15 | 授業 | 先生の話を聞いたり、話し合ったり、作業をしたりしながら、学習します。 |
16 | 片付けと準備 | 前の時間に使ったものを片づけ、手洗いをし、テーブルクロスを敷いたりなどの準備をします。 |
17 | 給食の準備 | 給食当番は給食着を着て、配膳をします。当番以外の人は静かに待ちます。 |
18 | 食事 | だいたい20分くらいで食べきります。 |
19 | 片づけ | 自分の食べた食器を片づけます。残したものがあればルールに従って処理します。 |
20 | 給食の片づけ | 給食当番はルールに従って食缶や食器などを整理し、決められた場所に返却します。 |
21 | 昼休み(掃除が先かも) | 子どもが自由に過ごす時間です。外遊びをしたり、トイレに行ったり、図書室に行ったりなどします。 |
22 | 掃除 | 決められた場所を決められた通りに掃除します。時間までに終了させます。 |
23 | 授業の準備 | 次の時間に使う教科書・ノートなどを準備します。 |
24 | 授業 | 先生の話を聞いたり、話し合ったり、作業をしたりしながら、学習します。 |
25 | 帰りの会 | 今日の反省をしたり、明日の連絡を聞いたりしたりします。連絡帳を書きます。配布物をファイルなどにしまいます。あいさつをします。 |
26 | 下駄箱に移動 | 教室から、玄関に移動します。 |
27 | 靴の履き換え | 上履きから靴に履き替えて、上履きを決められた下駄箱にしまいます。 |
26 | 下校 | 集団下校なのか自由下校なのかは学校によって違いますが、基本的には子どもたちで帰ります。見回り隊の方が付き添ってくれたりする学校もあります。 |
1年生の場合は5校時まである日と午後はない日がありますので、4校時までの日は給食の後に掃除をして帰りの会をして帰ります。
また、学校によっては業前活動が入ることもあります。
結構いろんなことができる1年生
いかがでしょうか。
読むのが嫌になってしまうくらいたくさんの項目が並びました。(繰り返しも多いですけれど)
大雑把に書いていますが、これだけでも結構やらなくてはならないことがありますよね。
はじめのうちは先生がいちいち指示してくれますが、子どもたちの吸収力ってすごいので、だいたい1~2か月くらいすると、これらの事はかなり身についてきます。
いちいち言われなくても自分で動けるようになってくるんです。
実は、基本的な日常生活に必要なスキルは幼稚園時代にみんな身につけてきているので、学校では上手にできなくてもある程度はできることを前提にカリキュラムが組まれています。
つまり、上に書いた日常生活に必要なスキルは、是非、幼稚園時代に身につけておいてほしいことという事になります。
具体的には
もう少し詳しく見ていきます。
たとえば、いくつかの具体的な場面を取り上げてみます。
靴の履き替え
上履きに履き替える場面ですが、幼稚園によっては、近くにママがいたり先生がいたりして、靴をしまい忘れていると注意してくれたりすることもあるかもしれませんが、学校では、そこに先生はいないと思った方がいいです。(気のきいたお友だちはおしえてくれますが・・・)
仕舞い忘れた靴を誰かが悪気なく蹴っ飛ばしてしまって、近くに見当たらなくなって、靴がなくなった~なんてことも、考えられますよね。
手洗い
手洗いをする場面では、先生はおそらく「はーい、手を洗ってきてくださ~い」っていうだけですので、その指示に従って、
手洗い場に行って、
蛇口をひねって水を出して、
水でごしごし手を洗って(場合によっては石鹸をつけて)、
蛇口をひねって水を止めて、
ハンカチで手を拭いて、
教室に戻ってくる
という流れまでを自分でしなくてはないこともあります。
以前勤めていた学校でこんなことがありました。
1年生が入学してきてすぐのことです。
1年生の担任が、「今日保護者に怒られちゃった」と言うんですね。
どうしたのかを聞くと、手洗いがちゃんとできない子がいて(その子は自閉症スペクトラムでした)、「まだ、手を洗う事が出来ないようなので、家で練習してくださいね~」と母親に言ったら、「うちの子はちゃんとできます!!」って、ピシャリと言われてしまったらしいのです。
「でも、本当にできないんだよね。」と。支援員がその子につきっきりになっているけれど、やっぱりできないという事でした。
そこで、次の日の給食前に、私が観察しに行ってみたんです。
その子の様子がわかる範囲のちょっと離れたところで、じっと見ていました。
その子が、手洗い場に来てどうするのか、最後までずっと。
で、気付いたんです。
あ、蛇口が回せないんだ。
私たちが普段何気なく行っている動作って、分解していくと、ものすごくたくさんのプロセスがありますよね。
自閉症スペクトラムの場合は、その中の一部分が苦手だと、その全部ができないという現象になって表に現れてきちゃいます。
で、このお子さんの場合は、蛇口のハンドル部分をつかんで、それをひねるという動作が難しいかったので、手洗いができないという事になってしまったわけです。
早速、その日の帰りに迎えに来たお母さんに私から事情をお話ししました。
すると、やっと納得していただけました。
「あ、うちは蛇口をひねるタイプの水道じゃなかったです!」と。
これって、結構見落としがち。
「家ではできてるけど、他の場所ではどうかな?」
そんなちょっと広げた視点を持っていると、今まで気付かなかったことに気づいたりします。
トイレ
トイレも、手洗いと似ていますね。
自分ひとりでできるでしょうか?
しかも、家や幼稚園以外の場所でも。
学校では、トイレは一人でできるものという感じではじめから考えています。
(初めから、保護者からの支援の申し出のあるお子さんの場合は、もちろんサポート体制も含めて受け入れをしますよ)
質問する力
分からないことがあったら、先生や周りの子に質問すること、これも結構難しかったりします。
それで、困っちゃって、突然泣き出しちゃったり、、、。
柚樹は幼稚園時代にまさに、分からないと泣くタイプの子どもだったので、ここは訓練しましたね!
幼稚園のご協力が一番ありがたかったです。
おかげさまで、今では、分からないことがあるとすぐに聞きに行ける便利な子に成長しました。
(たとえば、皮膚科で待ち時間が長い!と言って、後何分くらい待つのかを聞きに行ったりなんてことも、躊躇なくしてくれます笑)
給食
難しいのは給食です。
はじめのうちは6年生が手伝いに来てくれたりしますが、ずっといてくれるわけではありません。しばらくすると、1年生が役割分担をして配膳をすることになります。
- お盆の上に食べ物を載せて、席まで運ぶこと。
- ご飯をよそうこと。
- パンをパンバサミではさんでお皿に載せること。
- おかずをトングではさんでお皿に載せること。
- 野菜炒めをお玉(?)ですくって、お皿に盛りつけること。
などなど。
はじめから完璧にできることはもちろん当たり前ですが、全然できないと多分本人が困ってしまいます。
(中には、全ての配膳を担任の先生が一人でやって、すごく時間がかかって困っているという事例もあるようですが、それは、正直担任の先生のやり方に疑問ありです。)
着替え
それから、体育着に着替える場面もあります。
体育着に着替えて、洋服を無くさないように1つの場所にきれいにまとめておくこと。
体育着から、洋服に着替えて、体育着を体育着袋に全部仕舞って、指定の場所に片づけること。
これらが確実にできないと、後で大騒ぎです。
プールの季節には、全部脱ぎますからね。
靴下や下着等の小さい物もすべて無くさないようにしなくてはなりません!
休み時間の過ごし方
意外に難しいのが、休み時間の過ごし方です。
自分で好きに過ごしていいよと言われると困ってしまうお子さんもいるんですよね。
外でお友だちと遊ぶなどが好きなお子さんは特に悩みませんが、困ってしまいそうなら、図書室に行って本を読むなどができると楽しく過ごせそうですね。
時計を読む力
小学校では、学校によってはチャイムが鳴らない学校があります。
時計を見て自分で判断しろ!っていう、自主自立をめざすが学校などで、行われていたりしますね。
また、算数の学習でも、1年生でもう時計の読み方が出てきます。
是非、時計も分かるようになっていてほしいと思います。
その時の注意なのですが、時計はデジタルのものではなく、アナログのものを使うようにしてください。
もし、今家にあるのがすべてデジタルだというご家庭は要注意です。
デジタルでは、時計を読む事だけではなく、時間の感覚も育てにくいです。
アナログでは時間の流れそのものを感じることができるので、まずはアナログで育てるべきです。
我が家は子どもが生まれてハッと気づき、アナログの時計はすべて処分し、アナログの物に付け替えました。
こども用の学習時計もありますので、それもお勧めです。
我が家でも、もちろん使っていました。
お子さんはどうでしょうか?出来ていますか??
え、当たり前でしょ?
出来るに決まっているじゃない!
って思いました?
ところが、出来ると思っていても、出来ていないことも結構あったりします。
「もしかしたら出来ていないかも」という目で、もう1度日常生活の様子を見ることで、ちょっとしたつまづきが見つけられるかも知れません。
ちなみに、一番上の娘が中1の時に、上履きの左右をいつも間違えて履いていた子がいたそうです。
娘の学校も柚樹と同じ受験が必要な中学校で、そのお子さんは娘と違ってとても頭がよかったようですが、日常生活に苦手さが残っていたようですね。
はじめのうち本人は全然区別が付かなかったようですが、毎日、逆だと教えてあげていたら、中2になったくらいから、間違えることはなくなったようです。
思ってもみないところに苦手さが残る可能性があるのが自閉症スペクトラムなので、注意深く見てあげることが大切だと思います。
必要な力は日常生活の自立
今書いてきたことは、必要なことのほんの一部なんですが、要は日常生活をシュミレーションして、スムーズに過ごせるようなスキルを幼稚園時代につけましょうということです。
取り組みは簡単です。
どれも、普段、普通にすることなので、それらを丁寧に確実に自力で行わせる、または、お手伝いの幅を広げて、いろいろさせるだけです。
たとえば、夕御飯のお手伝いをさせることで、給食当番の仕事も疑似体験できますよね。
回数もかなり練習できます。
ただ、極端に苦手なことがあった場合には、どうすれば出来るようになるのかを考えて、楽にできるようにしていくためのサポート方法を工夫する必要はあると思います。
たとえば、前述の上履きの右左がわからなくなる子の場合は、上履きに印をつけてあげるなど。(通級指導をしていた時に、この作戦をとっている6年生の子(アスペルガー)の保護者が実際にいました。)
日々の生活の中の気づきを大切にしてステップアップしていくことで、かなりのことができるようになると思います。
もちろん、できていないから入れないとか、そういうことはないですよ。
その点は安心してくださいね(^^)
ここに書いたことは、できるようになっておくと生活がスムーズに送れますよっていうことばかりです。
たとえできなかったとしても、できたほうがいいということを知っておくと、普段の言葉がけが変わるので。
といっても、無理せずゆっくり、笑顔で教えてあげてくださいね♡
「小学校1年生に向けて」についての記事を書きました。
順を追って書いていますので、是非見ていただけるうれしいです。
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