日常生活での課題。優先順位はどうやって決める?
こんにちは。
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。
さて、今回は日常生活の中で気になる課題がたくさんある時に、どういう順序で家庭療育をすればいいのかという疑問についてお話ししたいと思います。
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課題山積で、何から手をつけていいのか分からない!
日常生活を送っていると、「ここが気になるんだよな」とか、「もう少し、こうできるようになればいいなあ」などといった、希望や願望が出てきます。
もちろん柚樹にもありました。
今まで記事にまとめてきたことは、主に病院での療育で課題になったことを家庭でどう取り組んだかという事だったので、特に悩むことはなくすんなり決まったものでした。
でも、日々、一緒に暮らしていると、それ以外にいろいろ気になることは出てくるんですよね。
でも、いっぺんに取り組もうとしても、どうしていいかわからない!
そんな時、我が家では遠城寺式乳幼児分析的発達検査表というのを使って、優先順位を決めていました。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査表は使える!
この検査表を初めて知ったのは、柚樹がお世話になっていた病院でのDr.から質問を受けて。
Dr.曰く、「普通の発達検査は、心理士の先生などに取ってもらわないとできないけど、これはさっさとできるから僕にもできる」
Dr.は検査表を見ながらたとえば
「一人でパンツを脱ぐ?」
等と私に質問するわけです。
で、出来ればその項目に丸をつけていくという簡単な物。
で、下の方から○をつけていって、どこまでできるかで、大体どのくらいの発達の段階にあるかが把握できるというスクリーニング検査みたいなものなんですね。
私は、その時、おお!なんて便利な物があるんだと思ったわけで。
帰ってきて、早速インターネットで調べてみると、誰かが作ってくれたものがしっかりのっていたんです(^^)
本当にありがたいです。
本当は、きちんとしたルールがあるのですが私はDQを出すための検査としてではなく、課題として取り組むことの選定に使っていたので、自分流のルールで使っていました。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査表(九大小児科改訂版) |
||||||
運動 | 社会性 | 言語 | ||||
移動運動 | 手の運動 | 基本的習慣 | 対人関係 | 発語 | 言語理解 | |
4.4~4.8 | スキップができる | 紙飛行機を自分で折る | 一人で着衣ができる | 砂場で2人以上で協力して1つの山を作る | 文章の復唱(2/3)
(「子どもが二人ブランコに乗っています」のようなちょっと複雑な文章) |
左右がわかる |
4.0~4.4 | ブランコに立ちのりしてこぐ | 弾むボールをつかむ | 信号を見て正しく道路を渡る | ジャンケンで勝負を決める | 四数詞の復唱(2/3) 5-2-4-9など |
数の概念がわかる (5まで) |
3.8~4.0 | 片足で数歩とぶ | 紙を直線に沿って切る | 入浴時ある程度 自分で体を洗う |
母親にことわって友達の家に遊びに行く | 両親の姓名・住所を言う | 用途による物の指示(5/5)
本・鉛筆などの身のまわりの物 |
3.4~3.8 | 幅跳び((両足をそろえて前に跳ぶ) | 十字をかく | 鼻をかむ | 友達と順番に物を使う(ブランコなど) | 文章の復唱 (2/3) (「きれいな花が咲いています」など、構成要素が3つくらいの文章) |
数の概念 がわかる (3まで) |
3.0~3.4 | でんぐり返しをする | ボタンをはめる | 顔をひとりで洗う | 「こうしていい?」と許可を求める | 同年齢の子どもと会話ができる | 高い・低いがわかる |
2.9~3.0 | 片足で2・3秒立つ | はさみを使って紙を切る | 上着を自分で脱ぐ | ままごとで役を演じる 事ができる |
二語文の復唱(2/3) (「小さな人形」など) |
赤・青・黄・緑がわかる(4/4) |
2.6~2.9 | 立ったままでくるっとまわる | 真似て○をかく | 靴をひとりで履く | 年下の子どもの世話をやきたがる | 二数詞の復唱(2/3)
(5-8など |
長い・短いがわかる |
2.3~2.6 | 足を交互に出して階段をあがる | 真似て直線を引く | こぼさないでひとりで食べる | 友達とけんかをすると言いつけにくる | 自分の姓名を言う | 大きい・小さいがわかる |
2.0~2.3 | 両足でぴょんぴょん跳ぶ | 鉄棒などに両手で ぶらさがる |
ひとりでパンツを 脱ぐ |
電話ごっこをする | 「きれいね」「おいしいね」などの表現が できる |
鼻・髪・歯舌・へそ・爪を指示する (4/6) |
1.8~2.0 | ボールを前に蹴る | 積み木を横に2つ以上ならべる | 排尿を予告する | 親から離れて遊ぶ | 二語文を話す(「ワンワンきた」等) | 「もうひとつ」「もうすこし」がわかる |
1.6~1.8 | ひとりで一段ごとに足をそろえながら階段をあがる | 鉛筆でぐるぐるまるをかく | ストローで飲む | 友達と手をつなぐ | 絵本を見て3つのものの 名前を言う |
目・口・耳・手・足・腹を指示する(4/6) |
1.4~1.6 | 走る | コップからコップへ水をうつす | パンツをはかせる時両足を広げる | 困難な事に出会うと助けを求める | 絵本を見て一つのものの名前を言う | 絵本を読んでもらいたがる |
1.2~1.4 | 靴を履いて歩く | 積み木を2つ重ねる | 自分の口元をひとりで拭こうとする | 簡単な手伝いをする | 3語言える | 簡単な命令を実行する(「新聞を持ってきて」等) |
1.0~1.2 | 2~3歩あるく | コップの中の小粒を取り出そうとする | お菓子の包み紙を取って食べる | ほめられると同じ動作を繰り返す | 2語言える | 要求を理解する(3/3) (おいで・ちょうだい ねんね) |
0.11~1.0 | 座った位置から立ち上がる | なぐり書きをする | さじで食べようと する |
父や母の後追いをする | 言葉を1~2語正しく真似る | 要求を理解する(1/3) (おいで・ちょうだい ねんね) |
0.10~0.11 | 伝い歩きをする | おもちゃの車を手で走らせる | コップを自分で持って飲む | 人見知りをする | 音声を真似ようとする | 「バイバイ」「さようなら」の言葉に反応する |
0.9~0.10 | つかまって立ち上がる | ビンのふたを開けたり閉めたりする | 泣かずに要求を示す | 身振りを真似する (オツムテンテン等) |
さかんにおしゃべりをする(喃語) | 「いけません」と言うとちょっと手を引っ込める |
0.8~0.9 | 物につかまって立っている | おもちゃのたいこをたたく | コップ等を両手で口に持っていく | おもちゃを取られると不快を示す | タ・ダ・チャ等の音声が出る | |
0.7~0.8 | 一人で座って遊ぶ | 親指と人差し指でつかもうとする | 顔をふこうとすると嫌がる | 鏡を見て笑いかけたり話しかけたりする | マ・パ・バなどの音声が出る | |
0.6~0.7 | 腹ばいで体をまわす | おもちゃを一方の手から他方に持ちかえる | コップから飲む | 親しみと怒った顔がわかる | おもちゃなどに向かって 声を出す |
親の話し方で感情を聞き分ける(禁止等) |
0.5~0.6 | 寝返りをする | 手を出して物をつかむ | ビスケット等を自分で食べる | 鏡に映った自分の顔に反応する | 人に向かって声を出す | |
0.4~0.5 | 横向きに寝かせると寝返りをする | ガラガラを振る | おもちゃを見ると動きが活発になる | 人を見ると笑いかける | キャーキャー言う | 母の声と他の声を聞き分ける |
0.3~0.4 | 首がすわる | おもちゃをつかんでいる | さじから飲むことができる | あやされると声を出して笑う | 声を出して笑う | |
0.2~0.3 | あおむけにして体をおこした時頭を保つ | 頬に触れたものを取ろうとして手を動かす | 顔に布をかけられて不快を示す | 人の声がする方に向く | 泣かずに声を出す
(アー・ウァなど) |
人の声でしずまる |
0.1~0.2 | 腹ばいで頭を少しあげる | 手を口に持っていってしゃぶる | 満腹になると乳首を舌で押し出したり顔をそむけたりする | 人の顔をじいっと見つめる | いろいろな泣き声を 出す |
|
0.0~0.1 | あおむけで時々左右に首の向きを変える | 手に触れたものをつかむ | 空腹時に抱くと顔を乳の方に向けてほしがる | 泣いている時抱き上げるとしずまる | 元気な声で泣く | 大きな音に反応する |
移動運動 | 手の運動 | 基本的習慣 | 対人関係 | 発語 | 言語理解 | |
運動 | 社会性 | 言語 |
我が家のルール
- 発達段階の下の項目から優先して取り組む。
- ものすごく苦手な項目があって本人が全然見向きもしない時には次に優先の項目を先にするが、飛ばした項目を伸ばすための前段階の事を同時並行で行い、必ずそれにもどって、取りこぼさないようにする。
- 一度に行うのは3~4個くらい。取り組んでいたものが少し上手になったら次の項目を入れて…という感じに増やしながら行う。
表の中身をよく見ていただくとわかると思うのですが、これを全てできるようになると、かなり日常生活はスムーズにいくんですよね。
日常生活がスムーズにいくようになると、本当にストレスが減ります。
しかも、これらの事は毎日毎日練習するチャンスがあるという、素晴らしい題材!
やり始めは苦労するのですが、壁を乗り越えるとあれっていうくらいに簡単にできるようになっていきました。
(乗り越えるまではそれなりに苦労します汗)
使い方
表は下の方が発達段階の初期で、だんだん上にスキルが積み上がっていくイメージです。
私は、できるようになりさえすればいいので、一枚プリントアウトして、その一枚に、時期など関係なく、とにかく出来るようになったら○、出来るようになったら○と、○をつけたしていきました。
自閉症スペクトラムなので、かなり凸凹があるし、しかも、これはだめねと思ったらその後いくつも○が付いたり、何もつかないのがずっと続いたと思ったら、結構難しいところに○が付いたりと、やはり定型発達の子どものようにはいかないですが、目安にするにはとてもわかりやすいと思います。
最初に評価する時に、気をつけてほしいことは、完全にできている事が明らかではない場合は、○はつけないことです。
分かっていたと思っていたが分かっていなかったという事もあるので、何となくで○はつけないようにしてくださいね。
この表には載っていませんが、呼名反応についても、幼稚園に入る頃には出来るようになっているといいかなと思います。
(呼名反応=「柚樹くーん」「はーい」ってやつです。「柚樹くーん」「はーい」「さつきさーん」「はーい」とやっているうちは、クリアではないです笑)
↑手直しができるようにワード文書で作った表です。(この記事のものと同じ)
もしよかったら、使ってみてください。
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取り組みたい課題がたくさんあって、絞り込むのが難しいというコメントを、前回の記事にいただきました。
そりゃぁ、そうだよね・・・日常生活で気になる事ってものすごくたくさんあったよね。
ん?私はどうしてたんだっけ???
10年も前のことで、忘れかけていたのですが思い出しました!
遠城寺式の検査表!!
実物はもう処分しちゃっていたようで、資料の中には入っていなかったのですが、かなりお世話になったものです。
とっても、大事なことなのに、あやうく、記事にしそびれるところでした。
本当にマーメイドさんに感謝です。
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