WISC-Ⅲの結果(小学1年生・6歳9か月)
こんにちは。
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。
さて、今日は6歳9か月の時に受けたWISC-Ⅲの結果についてお話ししたいと思います。
広告
6歳9か月の時のWISC-Ⅲの結果
病院の方針で柚樹の場合は小学1年生で経過観察を終了という事になりましたので、このWISC-Ⅲが知能検査では最後となりました。
WISC-Ⅲはウェクスラー式知能検査の第3版です。
5歳~16歳1カ月の子どもを対象としています。(幼児用、成人用もそれぞれあります)
子どもの知的発達の状態をプロフィールで表し、個人内の得意・不得意を見るのに役立ちます。
知能を言語性・動作性・全検査の3種類に分けて測定します。
また、言語理解・知覚統合・注意記憶・処理速度の4つの群指数を測ることができ、知能の発達のより詳しい傾向などが分かります。
評価
WISC-Ⅲの結果(6歳9カ月時)
言語性IQ【VIQ】103
動作性IQ【PIQ】127
全検査IQ【FIQ】115
言語理解【VC】100
知覚統合【PO】129
注意記憶【FD】106
処理速度【PS】108
有意差(5%水準):【動作性>言語性】、【知覚統合>言語理解・注意記憶・処理速度】
【知的発達】
- 言語的な発達の様子や柚樹くんの中のアンバランスさについて状況を確認し、今後に役立てていくために上記を実施しました。
- 全体的な知的発達水準は【平均の上】ですが、ばらつきがあります。言語的知識・推理、言語の意味理解、短期記憶などは概ね平均的ですが、特に非言語的思考や同時処理力に優れています。全体的に同時処理>継時処理で、非言語>言語の様子です。
- 言語性知能の水準は【平均域】ですが、ばらつきがあります。一般的な知識量やカテゴリー的思考といった言語的表現には苦手さが見られますが、過去の経験や既知の事実などを試行錯誤しながらも表現することや数を扱うことは比較的良好です。
- 動作性知能の水準は【優れている領域】で全体的に平均以上のプロフィールですが、やはりばらつきがみられます。『絵画配列』9『符号』11(『迷路』8)など個人内平均を下回る一方で『積み木模様』19『組み合わせ』17と平均を大きく上回っており、これはテスト年齢が小5~6年生水準です。視覚的な系列化や計画的に遂行することよりも、場当たり的な試行錯誤によって処理していくことの速さや全体と部分の関係性を予測するような図形的認知力に優れている様子です。
【行動・情緒発達・コミュニケーション】
- 検査中、常にどこかが動いている様子は見られますが、聴覚的課題中は動いていても聞き逃しは少ないです。(動きを止めてしまう方が、止めることに集中が向いてしまうと考えられます。)
- 聴覚的課題が続くと集中が落ちやすく、短期記憶も落ちやすくなる傾向が見られましたが、「もう一回言って」などとそれを補うスキルを獲得できているため、教示意図がわからないことでの当て推量は見られません。
- 「あと○○問」などと見通しを持たせることで意欲を持続させることができました。
【まとめ】
- 全体的な知的発達は【平均の上】ですが、動作性が優位に高く言語>非言語の傾向です。
- 動作性の高さについては、視覚>聴覚傾向であり、視覚的な刺激によっては周囲を顧みることがむずかしい場面が今後現れることも想定されるのではないかと推察されます。新奇な事柄への興味関心は維持しつつも、積み重ね学習・経験による社会性のスキルアップが図られることがより望ましいと考えます。
- 年齢相当からそれ以上の発達水準ですが、個人内のばらつきがありますので、家庭や学校生活の中で経験の積み重ねや振り返りを随時取り入れながら、さらにスキルを獲得していけるとよいと考えます。
検査からわかったこと
- 言語性IQと動作性IQの差がかなり大きく、言語性IQが平均域で、動作性IQは優れている。
- 知覚統合と言語理解・注意記憶・処理速度の差もかなりあり、知覚統合は得意分野。
- IQ、群指数ともに凸凹が大きくあるが、全部100以上になっていて、大きく落ち込んでいる分野はない。
- 下位検査で見ると、かなり大きな凸凹がみられる。「知識」・「類似」・「単語」と「絵画配列」・「迷路」が苦手で、「理解」と「積み木模様」「組み合わせ」が得意。とくに、「単語」は低い。
- 短期記憶は平均的だが、聴覚的課題が続くと集中力が切れる。
- 聞き逃してしまった時には聞き返すスキルが身についている。
幼児期から学童期に。スタンスを大きく変える時
前回受けたK-ABCの結果でも指摘されていたことが、今回も多く課題となっていましたが、短期記憶はおおむね平均域との評価をいただけました。短期記憶を鍛えるために家庭でも取り組んでいた成果が出てきたと思われます。
また、聴覚課題が続いた時には集中力が切れるものの、聞き逃してしまったことを「もう一度言って」と聞き直すスキルが身についているということも評価していただました。これは苦手な部分をどうカバーしていくかの方法を地道に習得していくことの大切さを表しているのかなと思いました。
2歳になったばかりの時に自閉症スペクトラムだという事がわかり、それから、家庭でもいろいろな事に取り組んできましたが、大きな苦手分野を残すことなく幼児期を卒業出来たことは、本当にラッキーなことだったと思います。
幼児期には苦手なことの底上げ、学童期からは得意なことをより伸ばしていくことが必要、とよく言われます。
柚樹も学童期に入りましたので、今後は得意な部分に目を向けて、より得意なところを伸ばしていくことにしました。
基本的には、得意なことは好きになることが多いので、好きだとかやりたいと柚樹がいうことを、出来るだけサポートしていく方法に切り替えていきました。
2歳から6歳までに受けた発達検査・知能検査の結果を一覧にまとめています。検査結果がどのように変化していったのかが見られますので、よろしかったらご覧ください。
広告