K-ABC(「認知処理過程」のみ)の結果(6歳2カ月)
こんにちは。
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。
さて、今日は6歳2か月の時に受けたK-ABC心理・教育アセスメントバッテリーの一部分の結果についてお話ししたいと思います。
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K-ABC心理・教育アセスメントバッテリー
1年前は田中・ビネー知能検査Ⅴを取っていただきましたが、今回は初めてK-ABC心理・教育アセスメントバッテリーをしていただきました。
田中・ビネー等とちがってIQなどを出すのが目的ではなく、どんなことが得意かを知ってその後の指導に役立てることをねらっている検査です。
そのため、それぞれの項目の出来具合が書かれたプロフィールいただけて、何ができていて、何が苦手なのかが、かなり詳しくわかります。
本来は「認知処理過程」と「知識・技能の習得度」の二方向から評価を行う検査法ですが、柚樹の場合は認知機能の様子をみたいという事で、「認知処理過程」だけを検査していただきました。
K-ABC心理・教育アセスメントバッテリーは、14の下位課題から構成されています。
各課題には適用年齢が定められていて、年齢によって最高で11の下位課題が用意されています。
また、「認知処理過程尺度(心理尺度)」と「習得度尺度(教育尺度)」の2つの独立した尺度からアセスメントを行うもので、その両方から子どもの全体像を詳しく分析しようとする検査法です。
子どもの得意とする知的活動の特徴を総合的に評価することで、教育・指導に役立てることをねらっています。障害のあるなしにかかわらず、子どもの内面を、プロフィール分析によって詳細に評価します。
子どもが理解しやすく、また、興味を持ちやすくなるように工夫されています。
問題提示板を使って検査します。
K-ABC心理・教育アセスメントバッテリー(6歳2か月)の結果は?
*認知処理過程尺度のみ実施
継次処理 105±8
同時処理 117±9
認知処理過程 113±7
非言語性 117±7
有意差:なし
○検査全体の様子
- 意欲的に臨むことができました。「次の勉強は?」などと興味関心を持ち、頑張ることが出来ました。
- また教示中はセラピストの目を見て聞けたり、その後はよく考えてから反応したりと、やりとりの過程がスムーズになってきました。
○検査結果
- 認知機能の全般的な様子を見るために、認知処理過程のみを実施しました。
- 尺度別でみると、課題を解決する過程において時間的な順序で1つずつ連続的に処理していくよりも、一度に与えられた情報を全体的に統合して処理することが得意な様子です。全体がどのような部分で構成されているかなどを分析することや獲得されている知識をもとに新しい知識や結論を導くような推理能力にも長けている様子です。
- 一方で、一度に把握できる範囲や注意していられる時間などは短めで、注意の逸れやすさも見られます。
○情緒発達・コミュニケーション
- 楽しいやりとりやスムーズなやりとりが可能になってきました。
- 話を聞くときには相手の顔(目)を見るといった具体的なスキルを中心として、相互的なコミュニケーションの基本が獲得されてきていますので、今後も日常生活の中で様々な具体的な場面を通して学んでいくことが望ましいと考えます。
K-ABC(6歳2か月)の結果から見えてきたこと
この結果から、また新たな発見がありました。
田中ビネーⅤ、LCスケールの結果から、取り組んできたことの課題については少しずつ成果が見えてきていましたが、違う検査をすると、また新たな課題が見えてくるものですね。
考察
- 得意なことは、「模様の構成」と「視覚類推」だった。(9歳から8歳のレベル)おそらく、ともに視覚的に考えていけば答えが見つかるものなので、柚樹にとってはやりやすい課題だったのではないかと考えられる。
- 苦手なことは「数唱」と「位置さがし」だった。(ともに5歳初期のレベル)「数唱」は聴覚、「位置さがし」は視覚という違いがあるが、両方とも短期記憶が必要な課題なので、短期記憶に関する分野に苦手があると考えられる。
- 「同時処理」と「非言語処理」が比較的得意。
- 「継次処理」と「同時処理」に有意差はないが、どちらかというと「同時処理」の方が得意。
- 一度に与えられてた情報を処理する方が時間的な順序で1つずつ処理するよりも得意だが、一同に把握できる範囲が狭く、注意している時間が短めなので、一同に大量の情報を与えてはいけない。
- 相互的なコミュニケーションが獲得されつつあるので、今後も相手の顔(目)を見て話を聞くなど必要なスキルを学んでいく必要がある。
- 推理能力に長けているとの評価をいただいた。ただしこれは視覚的に考えられることに関する分野についてのことと考えられる。
今後の方針は?
今回、短期記憶が苦手なのでは?という新たな視点が加わりました。
短期記憶が苦手だとすると、確かに言語の習得が遅かったり、物事の「理解」が身についていなかったりといった、今まで課題になっていたことが苦手だったということも、すんなりと納得がいきます。
また、聴覚>視覚(これは前からわかっていましたが)だということも考えると、聴覚で短期記憶を強いられるとお手上げという構図が見えてきます。
という訳で、短期記憶を底上げする取り組みが必要だという事が分かりました!
次回は、短期記憶を鍛えるために家庭で取り組んだことについてお話します。
2歳から6歳に受けた心理検査の結果と心理リハで行ったことを一覧にまとめています。検査結果の移り変わりがみられますので、よかったらご覧ください。
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