幼児期はIQを上げる取り組みではなく、コミュニケーション能力を上げることを目標にして!
こんにちは
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。
今日は前回の記事で落としてしまっていたことをお話したいと思います。
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心理の先生に言われたこと
4回目のリハの後で、心理の先生とお話ししたことについて、前回の記事に載せそびれてしまいました。すみません。
先生が教えてくださったこと
- 言語面については、理解・表出ともにかなり進歩してきた。
- ことばのやりとりができるようになってきた。分からないことがあると、先生の顔を見て確認しながらやっている。
- 今回、ただ単に課題をするというのではなく、コミュニケーションをするという事に重きを置いた。
- 模倣も多くなり、しかも自発的にしている。
- 走り方がしっかりしてきた。
- 体の動かし方については、OTに判断を仰いでもよいと思う。Dr.に相談してほしい。(ジャンプができなかった3回目のリハのことがあったためだと思われる。Dr.からは、リハビリをするほどではないと言われた。)
- 感覚統合を進めた方がよい。柚樹のやりたいことを少し手助けするような形で。例えば、梯子を降りるときには、「ここまで足をのばせばパイプがあるよ」と足を引っ張ってあげ、抱っこしないなど。いろいろな動きを経験させてあげる。
- 左右別々に体を動かしながら、太鼓をたたけていた。分化が進んできている。
- 幼稚園は、健常児と一緒の園だったら、加配が必要。
以上の9点でした。
今までも家庭での取り組みは、柚樹に寄り添ってできる限り周りの大人が柚樹に共感して、コミュニケーションを取りながら…という事を第1に考えてきたので、「分からないことがあると、先生の顔を見て確認しながらやっていた」という事を聞いて、本当にうれしい事だなあと思いました。
人間関係を築いていくためには、やはりコミュニケーション能力はあった方がいいので、そこの伸びが確認できたことで、今までの取り組みの方向性は間違ってはいなかったと感じました。
サポートをすると、その部分はやはり伸びる
家庭でサポートをしっかりしてあげると、サポートしてあげたところは、やはり伸びやすいです。
ただ、1つ忘れてはならないことは、発達指数(DQ)や知能指数(IQ)を伸ばすためのサポートをしてはならないという事です。
ちょっと苦手な事を、楽しく感じられる遊びの中ですこしずつ克服していき、その結果自然に発達指数(DQ)や知能指数(IQ)が伸びてきたというのが理想です。
そこを間違えると、本当に取り返しのつかないことになってしまいます。
小さいうちは、まず、人と関わりコミュニケーションをとることの楽しさを知ってもらう事を第1に考え、その次に楽しく苦手な事を克服という事をめざしてください。(本人が得意なことは放っておいても伸びていきます。)
そして、学童期になったら、得意なことをしっかり伸ばしていってあげてください!
得意なことだけを伸ばしてIQを上げることを目標としないで!!
私が以前通級指導教室で教えていたお子さんの中に、幼児期の取り組みの優先順位が逆転してしまっていたケースがありました。
小学校に入学するまでに、IQ50をIQ85まで伸ばしてきたという事で、お母さんも「この子が伸びたのは、私が頑張ったからだ!」と得意げに話しておられましたが、その後の発達はあまり芳しいものではありませんでした。
WISC-3のプロフィールを見ても、得意な部分と苦手な部分の差が激しすぎ、苦手な部分はそのままに得意な部分の実を伸ばしてきたことがうかがえるようなものでした。
実際、小1ではできることが前提のようなこと、例えばハサミを使う、シールを貼る、ことばのキャッチボールをするなどといったことが、非常に困難だったのです。
その子は暗記力はすぐれていたので、ひとケタの足し算引き算は全てできていました。
計算をしているのではなく、全て覚えていた様子でした。
でも、計算の方法を説明しても理解はできず、すぐに集中力が切れて手をひらひらさせる常同運動になってしまいます。
その事をお話ししても、お母さんは「小学1年生の学習をさせろ」と言って、学校側の話を聞いてはくれませんでした。
なぜなら、その子はIQが85あったために通常学級に在籍していて、それがその子のお母さんにしてみれば自分への評価になっていたからです。
通常学級に入っている普通の子のお母さんでいたかったのでしょう。
でも、そのお子さんにとっては、学校の時間というのが非常に苦痛な時間となってしまっていました。
その後、普通学級では学習にならず、通級指導教室に国語と算数の時間に通級してくることになりましたが、1対1でも小学1年生の学習は理解できず、結局私が幼児期に柚樹にしてきたような療育を通級の時間に行う事になったのでした。
学習の様子をマジックミラー越しに見ていただいた時に、そのお母さんにこんなことを言われました。
「先生、大変だったでしょ?分かります。私がさせようとしてもできなかったから。こんなこと、するようになったんだ…。」
行っていたのは、積み木の模倣と見立て、パズル、こちらの指示に従ってシールを貼っていくことなど。
その子は図形関係が極端に不得意で、なおかつ非常に不器用だったため、積み木2つの模倣さえ、始めのうちはできませんでした。
それに付け加えて、人と人との関係の構築、一緒に楽しむという感覚が希薄だったため、未知のことを何かをさせるという事がなかなか大変でした。
でも、無理のないところから少しずつステップアップして、時間はかかりましたが、4つから5つの積み木の模倣とお家や電車などの見立てができるようになってきていたのです。
それ以来、そのお母さんの態度は軟化して、翌年には特別支援学級に移りました。
もちろん自閉症スペクトラムの子どもは全て特別支援学級に入った方がいいと思っているわけではないです。
事実、柚樹は小学校入学からは通常学級でちゃんとやってきています。
小学校6年生の時には児童会の副会長もしました。
でも、それはやはり小さい時から人と関わることの楽しさを十分に体得していたからだと思うのです。
是非、あなたはお子さんと楽しいかかわりを共有することを大事にしてくださいね。
次回、日常の動きをスムーズにするために柚樹と2歳代に取り組んだことについてお話したいと思います。
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