子どもの「やりたいこと」「やりたくないこと」と向き合う
こんにちは
ずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。
柚樹が2歳11カ月の頃、通っていた児童デイサービスの先生から、「子どものやりたいこと・やりたくないこと」との向き合い方について、興味深いお話を聞いてきました。
おそらく柚樹だけではなく、誰にでも参考になる話だと思うので、そのお話をご紹介します。
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やりたい事は暴走する
柚樹に接する中で、「柚樹は自分のやりたい事はすごく一生懸命する。でも、自分のやりたくないことはやらない子」だという事が分かったそうです。
やりたいことは、すごく集中して、一生懸命する。
そして、とても上手にできる。
でも、やりたくないことは、とにかくやらない。
すると、「やらないこと」は周りの人からは「出来ない」と捉えられてしまう事がある。
もちろん、凸凹発達の子ですから出来ないこともたくさんありますが、でも、周りの大人が「出来ない」と判断していることの中に、出来ることも結構あるのではないか。
そして、やりたい事は暴走していく。
だから、徹底的に無視して、やるのはダメだと伝える。雰囲気で伝える。
能力があれば、それで軌道修正していくことができる。
でも、一方で、能力があればある程、やりたい事にのめりこんでいってしまう。
そして、自分の世界に入り込んでいってしまう事があるので、軌道修正させることはとても大切。
また、やらない事・出来ない事については、訓練をすればある程度は改善することができる。
そういう訓練を児童デイサービスでは日々の生活の中で行っている。
なるほど、なるほど。
確かにやりたい事ばかりをやって、それが極端になってしまったら、それは問題です。
発達障害児関係の訓練については、望ましくない行動に対しては徹底的に無視するというのがセオリーですから、全くその通り!と、改めて家庭でも気をつけなくてはならないと思ったわけです。
望ましくない行動を無くすなら徹底的な無視を
実は、この無視するというのはかなり厳しくて、「ある行動を無くす意図をもって無視を始めたら、絶対に反応してはいけない」のです。
どんなことがあっても絶対に、です。
そうでないと、逆にその望ましくない行動を強化してしまう事があるからです。
いつもいつもご褒美をもらうよりも、時々ご褒美をもらう方が、実はその行動を強化しやすいということが分かっています。
ギャンブルで考えると分かりやすいですね。
いつもいつも報酬(ご褒美)がもらえることよりも、時々報酬(ご褒美)がもらえる方がもらった時の喜びが大きいために、その魅力から逃れられない人が多いんです。
そして、ご褒美が手に入らないことが続いても、手に入ることがたまにあるものですから、「また、きっとご褒美がもらえるに違いない」と考えてしまい、結局やめることができません。
この場合、望ましくない行動は、本人にとってはやりたい行動ですから、いつも止められているのに時々することを許されるとなると、それがご褒美となってしまうわけですね。
そうすると、その行動は強化されて、定着してしまう。
痛いところを突かれてしまったけど、避けては通れないな…。
この児童デイサービスの先生の話を聞いて、家庭でも望ましくない行動への徹底的無視を始めたのでした。
この無視を始めたら、例えばおじいちゃん・おばあちゃんにも、よく事情を説明して協力していただくと効果的です。
我が家でも、おじいちゃんおばあちゃんにがんばってもらいました。
時々もらえるご褒美は行動を強化する
ちなみに、このギャンブル的なご褒美による行動強化は、望ましい行動の強化にももちろん利用できます。
いろいろな練習を家庭で行っているわけですが、その練習を始めたうちは、その行動をしてもらうために、いつでもご褒美をあげていると思います。
でも、ある程度できるようになってきたら、少しずつご褒美の数を減らしていきます。
そうすると、時々ご褒美がもらえるという状況になると思います。
その「時々もらえるご褒美」の状態を長期間維持すると、望ましい行動が強化され、また、維持されていくことになります。
望ましい行動は時々もらえるご褒美によって強化し、望ましくない行動は完全無視で消去する。
周りの大人たちの徹底した我慢と忍耐が必要です。
やらないこと(≒出来ない事)へのアプローチはやりたい気持ちを育てる作戦で
やりたくないことをさせるのは、非常に困難です。
よく馬を水飲み場へ連れて行っても、水を飲ませることはできないなどといいますが、そういうことなんですよね。
本人がやりたいと思わなければ、やってくれないのです。
だから、このやらないことへのアプローチは、今まで通り、やると楽しいことに気づかせて、自分からやりたいという気持ちを育てるという方法で行う事にしました。
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