自閉症スペクトラムに効果的!!写真カードでことばをふやす

こんにちは
40代専業主婦のずぼら母ちゃんこと渡辺さつきです。

今日はインスタントカメラで作る写真カードの活用についてお話したいと思います。

 共同注視が難しい自閉症スペクトラム

自閉的な傾向のある子どもの場合、共同注視が成立しにくいという事がよく言われます。

共同注視とは何でしょうか。

普通の発達をしている赤ちゃんの場合、抱っこしてくれている大好きなお母さんが
「あ、猫! ネ・コ。 かわいいねぇ。」
と、猫を指さしながら言ったとします。

ママは猫を見て「ネコ」って言うけど、お子さんが猫を見ているとは限りません

そうすると、赤ちゃんはお母さんの視線の先にある「猫」を見て、「猫」に気が付き、「猫」を見ている状態で、
お母さんの「あ、猫!ネ・コ。かわいいねぇ。」という声を聞くことになります。
この事によって赤ちゃんは「猫」と「ネコ」を結びつけて考える事が出来ます。
この積み重ねで様々なことばを覚えていきます。

つまり、お母さんと赤ちゃんが、同じものを視ている状態が成立しているからこそ、スムーズにことばをインプットしていけるわけです。

ところが、自閉的な傾向のある赤ちゃんの場合、大好きなお母さんが猫を指さして語りかけたとしても、その視線を追って猫を見ることは難しく、お母さんが言っていることば「ネコ」を「猫」と結びつけて考える事ができません。
共同注視が成立していない状態で、お母さんがたくさん語りかけて、いっぱいことばを教えてあげたとしても、BGMのような感じで聞き流されてしまうのです。

これでは、なかなかことばは増えていきませんね。

だから、お母さん・お父さんが、お子さんの見ているものを共同注視して、その名前を教えてあげる事が手っ取り早いのです。
以前にもお話ししましたが、子どもにとことん寄り添うという事ですね。
子どもに寄り添うというは、お子さんの立場に立つこと、お子さんの気持ちになること、ということあって、共同注視だけにとどまる心構えではありません。
お子さんになりきって、ことばがけができると最高ですね!
例えば、話がそれますが、足をぶつけて泣いている子どもには、「いたいね。いたいねぇ。」と言ってあげるのがいいのです。
だって痛いのだから。
「あ~、つよいつよい。泣かない、泣かない。」などと言っちゃうと、お子さんの感覚とちがうことばが入ってしまうかもしれません。

興味関心に寄り添うならインスタント写真が効果的

さて、ここからは柚樹の場合のお話です。

前回お話ししましたが、柚樹はことばをおしゃべりする発達スピードに比べて、文字を読むスピードが速い子どもでした。
そのため、この特性を利用して写真カードを作り、ことばを増やしていったわけです。

その場で名前を書き入れてそのまますぐに使えます。

そこで威力を発揮するのが、子どもの興味関心に寄り添った写真カードが作れるインスタントカメラです。
わが家の場合、「チェキ」という製品を使って即席でカードを作っていきました。
チェキで撮った写真には、文字が書き込めるスペースもあるので、ペンもいっしょに持ち歩いていれば、すぐにカードになってしまいます。

チェキの写真のメリットは ☆子どもの興味にすぐに対応して(共同注視が成立しやすい素材が準備できる)即時作成できる事
☆目で見ている具体物そのままの姿を2次元のカードに表すため、具体物とカードを結びつけて考えやすい事
☆パウチなどしなくても、厚みのあるカードになって使いやすい事
などがあります。

でも、正直言ってランニングコストがかなりかかります。
写真フィルム(というのかな)が、かなりお高いのです。
その点は、導入する際のネックになりました。

絵本などのカラーコピーでカードを作ることも考えたりしました。
今現在ネットで「自閉症児のための写真カード」などと検索すると無料ダウンロードできる素材もたくさん紹介されていますね。
それらを利用するという手もあると思います。
印刷したカードを切ってパウチすれば、手間はかかりますが安上がりかもしれません。

でも、お金がかかっても、最初に使うものについて、私はやっぱりチェキの写真カードが1番おすすめです。

何といっても、子どもの興味関心にドンピシャ、かつ即席で準備できるので、インプットするスピードがすごく速いのです。
特に幼児期の成長は目覚ましいので、この一瞬一瞬をできる限り無駄にしたくないですよね。
また、カード作成に時間がかからない事も忙しい毎日の中では重要なポイントでした。

ただし、一般的な写真カードが使いにくいという訳ではありません。
使う時期の問題かなと思います。
ネットに上がっているような万人向けのカードは、もう1段階上の取り組みになるのかなと考えています。

実際柚樹の場合も、チェキの写真カードで爆発的にことばが増えていったあとは、万人向けの絵本図鑑などに移っていきました。(少なくとも、取り組みを始めて5ヶ月後には語彙が80語を超えていたので、メインで写真カードを使っていたのは、柚樹の場合は本当に短い期間でした。)
どんな教材を使う場合もそうなのですが、今、この子には何が一番効果的かという事を、慎重に見極めていくことが大切になってきます。

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